委託者の地位の移転

家族信託で委託者というのは、受託者に信託財産の管理を任せる人のことをいいますが、その地位が移転する場面というものが考えられるのでしょうか。

信託法第146条には次のような規定があります。
第1項 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。
第2項 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。

信託法第146条第1項の「受託者及び受益者の同意を得て」委託者の地位が移転する場合
受託者および受益者の同意を得た場合は委託者の地位を移転することができます。
委託者の地位が移転するということは、委託者が別の人になるということですから、
信託の関係当事者である受託者や受益者にとっても大変重要な変更にあたりますのでそれらの同意を必要としているわけです。

信託法第146条第1項の「信託行為において定めた方法に従い」委託者の地位が移転する場合
信託契約の中で委託者の地位が移転する場合を定めている場合は、その方法で委託者の地位が移転します。
たとえば信託契約の中に「受益権が移転したことにともない委託者の地位も移転する」という内容の定めがあった場合は
受益者が変更すると委託者の地位が移転することになります。
逆に委託者の地位を移転させたくないという場合は、そのような定めを信託契約の中に置いておけば委託者の地位を固定することが可能です。