高齢者職権消除の取り扱い

成年後見業務や相続登記業務で戸籍謄本や除籍謄本を目にする機会が多いのですが、戸籍上では生存していることになっているけれども、生年月日から推測すると明らかに生存しているわけないでしょうという年齢に達しているのに死亡の記載がなく、住民登録も消除されていて戸籍の附票にも記載がないケースがあります。

戸籍上の生年月日から推定すると、どうみても生存しているとは思われないような場合には、役所が職権で死亡した旨を戸籍に記録する運用があります(平成2年3月1日法務省民事局二課通達)。

この場合、戸籍に死亡の記載がされても戸籍行政上の便宜的な取り扱いなので法律的に死亡したということにはなっていません。

なので戸籍に高齢者職権消除の記載がされただけでは、相続が開始したとはいえず相続登記も進められないことになります。

この理由としては、被相続人の戸籍に死亡の記載がなされても単に戸籍行政上の便宜によるもので失踪宣告のような法的効果を生ずるものでないからと考えられています。

つまり、戸籍上で高齢者職権消除の処理がされただけでは、相続登記はできないということは気をつけておかなければなりません。

では法的にその人が死亡したと認めてもらうためにはどうしたら良いかということになりますが、
考えられる方法としては3つで、
1.失踪宣告の制度を利用するか、
2.死亡届を提出できるかを検討するか、
3.戸籍法第89条の規定による死亡の報告によるか
になります。

戸籍を見ていて「高齢者につき死亡と認定平成30年2月4日許可同月日除籍」という記載があったら要注意です。