会社への貸付金を原資に資本増加(新株発行)をする方法

資本増加による新株発行というと、実際に会社にお金を出資して株式を取得するというイメージが一般的だと思います。
しかし会社への出資は金銭に限られるものではなく、金銭債権による現物出資も可能とされています。
会社に対して貸付金がある人、たとえば小さい規模の会社であれば役員が会社に貸付金名目でお金を出しているケースもあります。

このような会社に対する貸付金は、会社にとっては「債務」となっていますが、これを「株式」と「交換」することによって、資本増加による新株発行を実現することができます。
このような会社への貸付金を原資に新株を発行することで会社の「債務」は減少し、「資本の額」は増加するためバランスシートの見栄えも良くなります。
ただし単にバランスシートの見栄えだけではなく会社の財務体制に関わることですから当事務所では事前に顧問の税理士ときちんと打ち合わせをしていただくようにしています。

このような「債務」と「株式」の「交換」のことを「Debt(負債) Equity(株式) Swap(交換)=デット・エクイティ・スワップ=DES」といいます。
DESによる資本増加の登記をする場合、当事務所では総数引受契約による募集株式の発行の形を取るお客様が多いです。その理由の1つには最短で同一日付で資本増加の効力発生までたどり着くことができる点があります。

DESによる資本増加の登記申請を総数引受契約による場合に必要な書類は
1.株主総会議事録
2.株主リスト
3.総数引受契約書
4.資本金計上に関する証明書
5.税理士等の証明書または総勘定元帳等の会計帳簿
となります。

参考 会社法第205条 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
第1項 前二条の規定(注:募集株式の申込み.募集株式の割当てについての通知や割当の手続き)は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
第2項 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

DESによる資本増加の登記に必要な印紙(登録免許税)は、増加する資本金の額の0.7%です。

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