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会社の設立登記のファストトラック化

2019-06-07

平成30年3月12日から会社設立登記を申請してから原則3日以内に登記が完了するように取り組みが行われているそうです。(法務省のサイト)実際に3日で完了しているのですが、それより先に申請した他の会社の役員変更登記がまだ終わっていないこともあったりします。まさにファストトラック(優先審査制度)といえますが、他の手続きやマンパワーにしわ寄せが行かないように願うばかりです。

相続登記の名義人を誰にするか

2019-04-07

相続登記を申請する場合、法定相続人全員の名前を登記しなければならないのか?
というと、そういう訳ではありません。

たとえば、Aさんが死亡し、その法定相続人がB・C・Dの3名だった場合、
相続登記の申請にあたっては、B・C・Dの3名で話し合い(遺産分割協議)をして
誰が登記名義人になるのかを決めてその人が登記申請をすれば足ります。

もちろん、B・C・Dの3名が共同で登記名義人になることも可能です。

またB・C・Dの3名の持分についても民法では法定相続分が決められていますが
この法定相続分の定めと異なる割合で話し合いがつけば、その話し合いで決まった割合で登記することになります。

民法で定められた法定相続分で登記する分には、戸籍謄本や除籍謄本以外に特別な証明書類は必要ありませんが
民法で定められた法定相続分と異なる割合で登記申請をする場合は、その内容を証明する書類が必要となります。

具体的には
・遺産分割協議書
・特別受益証明書
などです。通常これら証明書は実印を押し、印鑑証明書も添付します。

ちなみに民法で定められた法定相続分の割合は以下のとおりです。

民事信託士の登録証

2019-04-05

昨年受検した民事信託士検定の登録証が届きました。有効期間が令和4年となっていました。あたらしい元号が印刷された証明書的なものを初めて手にしました。平成の時の同じように見慣れていくのでしょうか。

登記識別情報通知

2019-03-21

登記識別情報は昔の「権利証」と同じく大切に保管が必要です。
平成18年以降、売買や相続登記で登記名義人となった人には、「登記識別情報」という12桁の英数字の組み合わせで構成されたパスワードが発行されることになっています。
登記識別情報通知の見本は法務省のサイトから確認できます。

登記識別「情報」という名前がついていることからも分かりますが、以前までのような「権利証」のように、いつでも目で確認でき唯一のものとして保管しておけるものではなくなりました。

「権利証」であれば、貸金庫などで「現物」を大切に保管しておけばコピーを取られても安心だったかもしれませんが、登記識別情報の場合、12桁の英数字のパスワードを貸金庫で大切に保管しておいたとしても、そのパスワード自体を見知らぬ第三者にメモされたりしていたら、権利証が盗まれたと同じことになってしまいます。

一度パスワードが漏洩されてしまうと、悪用されてしまう可能性が高くなってしまいます。
このような意味でも登記識別情報の管理は徹底して行なう必要があります。

万が一、他人に登記識別情報を知られてしまったかもしれないという場合は、登記識別情報(パスワード)を失効させる手続きもあります。

ただし、一度登記識別情報(パスワード)を失効させてしまうとパスワードの再発行はできないことになっています。

また、「そんなに管理が大変なんだったら最初からパスワードは要らないよ」という方に対しては、登記識別情報の通知は不要ですと登記申請の際に申し出ることもできます。

相続登記と認知症

2019-03-21

相続登記と認知症

相続登記と認知症との間に何の関係があるのかと思われる方もいるかもしれません。
しかし、この2つの言葉は大変密接な関係があり司法書士は後見業務に携わっているいないにかかわらず日々の業務の中で「認知症」について常に意識をしています。

ちなみに「認知症」とは、「認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態」
(「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より引用)をいうとされています。

■相続登記の申請人が認知症の場合

「認知症」の状態にもよりますが、少なくとも司法書士が「相続登記の申請人が認知症」ということを伝えられたり、直接認識したりまたはその疑いを持ったりしたら、そのまま登記申請をすることはありません。それは、認知症によって判断能力がない、または低下した状態で司法書士に「登記申請行為」の委任はできないはずだからです。
正式に相続登記申請の委任を受けていない以上、司法書士がその人からの相続登記申請の代理をすることはできないのは当然のことです。

ちなみにここでいう「判断能力」のことを法律の世界では「意思能力」という言葉で説明しています。
「意思能力」とは、意思表示などの法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力(精神状態)のことをいいます。

民法ではこれを類型化し
被後見人のことを「精神上の障害により判断能力を欠く常況にある者」として規定しています(民法第7条)。
被保佐人のことを「精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者」として規定しています(民法第11条)。
被補助人のことを「精神上の障害により判断能力が不十分な者」として規定しています(民法第15条第1項本文)。

被後見人であれば自己の行為の結果を判断することが常にできないということになりますから、登記申請行為について司法書士に委任することは不可能ということになります。
つまり、認知症になって判断能力がない人は自身で登記申請人となることはできないし、司法書士に委任することもできないということになる訳です。

このように判断能力がなかったり低下した人は、自身では登記申請人になることができないので、本人を保護する後見人・保佐人・補助人が法定代理人として登記申請行為をすることになるわけです。

実際問題として、目の前にいる人の挙動が怪しいと感じて「意思能力がないのではないか」と認識した場合司法書士がどのように対処するかは悩ましい場面です。

というのも明らかに「この人は意思能力がない。」と判断できる状態であれば迷うことはないのですが微妙なケースというのがままあるからです。まさに当の司法書士の資質が問われることになります。

■遺産分割協議の参加者が認知症の場合

被相続人の法定相続人が2名以上いて、その話し合いで遺産の帰属者を決めた場合、相続登記をするために遺産分割協議書を作成し、署名捺印の上その証拠とする場合が多くあります。

遺産分割協議も法律行為ですから、その前提として意思能力が必要です。
法定相続人のうちの誰かが認知症になっていると、遺産分割協議に参加することができない、または参加する判断能力がないのではないかということになるはずです。

このような場合すなわち、法定相続人のうちの一人が認知症になっている、またはその疑いがあるという場合は、成年後見制度を利用してその人の判断能力に応じて後見人・保佐人・補助人を就けてもらい、その人に遺産分割協議に参加してもらう等という手続きを踏む必要があります。

さらに注意が必要なのは、後見人・保佐人・補助人が付いている場合、遺産分割協議では認知症になった本人の権利保護のため必ず法定相続分以上の権利を取得させる内容であることが求められるという点です。
これは、成年後見制度を監督する機関である家庭裁判所からこれに反する内容の遺産分割協議、たとえば当の認知症になっている被後見人が法定相続分より少ない遺産しか取得できていないといった内容だと後見人等に再考を求められるということになります。

相続登記に関与する司法書士として当の相続人にどの程度関与しているかにもよりますが、認知症の方が当事者にいる場合は、これらの点も十分吟味して登記手続きを進める必要があり、意思確認ができない等の場合は、依頼をお断りすることもあります。

ご自分のケースではどうなのかも含め、ご相談を受け付けております。
お問い合わせ・ご予約は当サイト専用フォームからお願いします。

遺産分割協議書の作成

2019-03-17

相続によって遺産の名義変更をする場合、民法で定められた法定相続の割合と異なる割合で分配をする場合、遺産分割協議で「誰が何を相続するか」を決めることが多くあります。

 

遺産分割協議が整ったら、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書には、被相続人の特定に必要な事項を記載し、被相続人の遺産について誰が何を取得するのかを記載します。そして遺産分割協議に参加した法定相続人が署名・捺印(実印)をします。

 

遺産について

遺産が不動産(土地・建物)や預貯金、有価証券(株式・投資信託等)複数にわたるときは、遺産目録を作成し、まとめておくと分かりやすいです。

 

被相続人について

被相続人の特定に必要な事項としては、氏名だけでも特定できる場合もあるかもしれませんが、同姓同名の場合(特に銀行の場合)や登録されている住所が最後の住所と異なる場合などのために、氏名のほかに最後の本籍・最後の住所・生年月日・死亡年月日等も記載しておくことをお勧めします。

 

遺産分割協議書で、被相続人の特定のための記載例

「被相続人A (1970年2月28日生・2019年3月15日死亡)

最後の本籍 千葉県柏市中央町5番

最後の住所 千葉県柏市中央町5番21号」

 

相続人について

遺産分割協議に参加するのは、被相続人の法定相続人全員となります。

遺産分割協議に参加する法定相続人が欠けていると、せっかく作成した遺産分割協議書も意味をなさなくなってしまうことがありますので法定相続人の確定には十分注意が必要です。「しまうことがあります」と表現したのは登記実務上、同一内容の遺産分割協議書であれば、法定相続人全員が一枚の遺産分割協議書に署名・捺印をしていなくても全部の遺産分割協議書をあわせて1つの遺産分割協議書として取り扱うことも可能とされているからです。ただしこの取り扱いは登記実務での話なので、銀行や証券会社では対応してくれないかもしれません。

 

遺産分割協議書で、相続人Bが土地を相続する場合の記載例

「別紙遺産目録1.記載の土地については、Aが相続する。」

 

遺産分割協議書で、相続人Cが預金を相続する場合の記載例

「別紙遺産目録2.記載の預金については、Cが相続する。」

 

遺産分割協議に参加した法定相続人の署名・捺印

遺産分割協議書の内容に納得した証(あかし)として、遺産分割協議に参加した法定相続人は、署名・捺印をします。署名・捺印ではなく、記名・押印(署名欄があらかじめ印刷されている状態の書面に押印する方法)でも登記実務上は構いませんが、後日の証拠とするためには記名・押印ではなく署名・押印をしておくことをお勧めしています。また銀行や証券会社の対応としても記名・押印ではなく、署名・捺印を要求するケースがあります。

 

自筆証書遺言の方式が緩和されました。

2019-01-14

平成31年1月13日に自筆証書遺言の方式を緩和する方策部分の改正民法が施行されました。

改正された民法第968条第2項では
「(略)、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(略)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載が両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。」と規定されています。

これまでの民法では、自筆証書遺言が有効とされるには「すべての文言について」自書(手書き)が要求されていて、たとえ内容が本人作成のものであっても印刷されたものを利用した自筆証書遺言は無効になっていました。

ところが今回改正された民法では、この自筆証書遺言の方式を緩和し、遺言の対象となる遺言目録の部分についてのみ、所定の方式を踏めば印刷されたものでも有効とするということになりました。

これによれば、パソコン等で作成した目録を印刷したものや、銀行の預金通帳のコピー、不動産の登記事項証明書などをそのまま相続財産の目録として、自筆証書遺言に利用することができることになります。

ただし、この場合でも、目録のページ全てに遺言者が署名、捺印をしなければならないのでその点だけ注意が必要です。

今回、このような自筆証書遺言の作成方法について要件が緩和されたのは、自筆証書遺言の作成を促進してもらうためのようですが、これまでの自筆証書遺言の要件を実際に充たすには、全文を自書(自分で手書きする)する必要があり、かなりの負担となっていたためとされています。

私も仕事柄、実際の自筆証書遺言をいくつも目にしていますが、法定の様式を充たしていないものも結構あり対応に困るケースもあります。
自筆証書遺言を作成される際は、できれば事前に司法書士に相談して欲しいというのが実際のところです。

居住用不動産の夫婦間贈与の特例

2018-11-10

【居住用不動産の夫婦間の贈与とは】

居住用不動産の贈与をした場合は、贈与を受けた人に贈与税が課税されます。

しかし、婚姻期間が20年以上であれば贈与税が非課税となる特例があります。

贈与税の基礎控除は年間110万円ですが、これに加えて最高2,000万円まで控除されることになります。
ただしこの特例を受けるためには、税務署への申告(贈与税の申告)が必要です。

居住用不動産の夫婦間贈与の特例を受けるためには以下の要件が必要とされています。
(1)夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
(2)配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した 居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

贈与税の申告には以下の書類が必要とされています。
(1)財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本
(2)財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
(3)居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの
※金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、上記の書類のほかに、その居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)

小川司法書士事務所では、居住用不動産の夫婦間贈与についてご相談を受け付けております。

電話04-7160-4488

 

 

 

同一商号同一本店の禁止

2018-10-01

同一商号同一本店の禁止とは、本店及び商号が全く同じものは登記をすることができないという制度をいい、商業登記法第27条に規定があります。

「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社オガワ」という会社が登記されているのに
「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社オガワ」という会社を作って設立登記をすることはできないという意味です。

では
「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社小川」という会社を作って設立登記を申請しても受理されるでしょうか?
答えは「受理される」になります。

同一商号同一本店の禁止は、本店及び商号が「全く同じ」ものが登記できないという制度ですから
「株式会社オガワ」と「株式会社小川」は「全く同じ」ではないので受理されるということになっています。

もっともここでクリアしているからとしても「不正競争防止法」に違反するとして、すでにある「株式会社オガワ」から損害賠償請求をされる可能性があることはきちんと理解しておく必要があります。

参考―商業登記法第27条
「商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。」

未成年者を養子にする場合の親権

2018-09-30

相続税対策の1つとして自分の孫である未成年者を養子にしている場面に遭遇することがあります。

前提知識

未成年者を養子にする場合、養子となった未成年者の親権者は、それまでの実親から養親になります(民法第818条第2項)。

未成年者を養子とする場合で養親が婚姻している場合は、養親夫婦が共同で縁組をしなければなりません(民法第795条)。

親権は、父母の婚姻中は、原則として父母が共同して行う必要があります(民法第818条第3項)。

これらの前提知識をもとにすると、たとえば
祖父A、祖母B、ABの長男甲、甲の長女C(未成年)という親族関係で、ABとCが養子縁組をした場合

Aさんが自分の孫Cを養子にすると、それまで甲がCの親権者だったのが、祖父母ABがCの共同親権者になるということになります。

Aさんとしては、養子を迎えることで法定相続人が増えるので、相続税の基礎控除が増えることを期待して、という事情があるように思われます。

しかし、未成年者を養子にする場合、以下のような場面も想定しておく必要があります。

未成年者の養親が死亡した場合の親権者は?


このような状況下で、Cが成年に達する前に、「養親ABが死亡してしまった場合」、未成年者であるCの親権者がいなくなってしまうことになります。

養子縁組によって親権者はABになったけど、親権者がいなくなったのならば
もともと親権者だった実親に親権を戻せば良い、という考え方もありますが
実務上取り扱い・通説は
「養親双方が死亡しても、ただちに養子縁組の効果は解消しないから(民法第811条6項)、実親の親権は復活しない」とされています。

それでは親権者は誰になるのか?ということになりますが、

「未成年者に対して親権を行う者がないとき」として、「未成年後見」が開始することになります(民法第838条第1号)。

この場合、家庭裁判所に対し親権者変更の申立てをして実親を親権者としてもらうこともありますが、親権者変更を認めるかどうかは
家庭裁判所であり、諸事情を考慮した結果「子の利益のため必要がある」と判断されるかどうかによります(民法第819条第6項)。

「未成年後見」は、家庭裁判所に「未成年後見開始」の申し立てをし、「未成年後見人」を選任してもらうことからスタートします。
誰が「未成年後見人」に選任されるかは、家庭裁判所の判断によりますが、「未成年後見人」は当該未成年者のために監護養育、財産管理、契約等の法律行為などを行います。

冒頭に相続税対策として未成年者を養子に迎えることがあると書きましたが、場合によってはこのような状態になることも想定しておく必要があるということになります。

当該未成年者が成年に達すれば、未成年後見は終了することになります。

(参考)養子が未成年のときに、離縁をした場合は、養親が死亡した場合と異なり実親の親権が復活することになります。

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