Archive for the ‘未分類’ Category

保証人の責任

2021-06-14

個人が保証人になる場合の保証の範囲について2020年4月1日に施行された改正民法によって変更が加えられました。

  • 自分の父親が有料老人ホームに入所する際に子供が保証人になる場合
  • 自分の子供が賃貸アパートに入居する際に実家の母親が保証人になる場合(イラスト参照)
    などが関係してくる話です。

重要な変更点としては、

  1. 個人が保証人になる場合、「極度額の設定」が必要
  2. この「極度額」を定めない保証契約は無効
  3. この「極度額」を定める契約は書面か電磁的記録でしなければ無効 といったものになります。

これまでは、個人が誰かの保証人(一定の範囲に属する不特定の債務を保証する形式の保証人)になる場合、
保証契約の中で「金●●円までに限り保証する」などという保証限度額のようなものはありませんでした。
このため保証人に対して請求される金額にも際限が無いことになってしまい保証人が予期しなかったような責任追及をされる可能性がありました。このように保証人を一定の範囲で保護するためにその責任をあらかじめ限定するものとして「極度額」が設定されることになりました。

民法第465条の2(個人根保証契約の保証人の責任等)
第1項 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの
(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、
その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
第2項 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
第3項 第446条第2項及び第3項の規定は、個人根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。

たとえばAがBから100万円を借りる契約の保証人にCがなったというのであればCはその100万円を借りたことについてAに対し保証人としての責任を負うことになります。
しかしAがBから借りたお金を返さないまま行方不明になったような場合、保証人であるCは、Aに対して100万円とそれにともなう遅延損害金等を支払義務があります。

これに対し民法第465条の2でいう個人根保証契約は
たとえばAがBとの間で「金銭消費貸借取引(お金の貸し借り)を継続的にする」という契約をした場合、この契約についてAの保証をしたCは、
AがBとの間で継続的に取り交わされる金銭消費貸借取引について保証するのですから、その取引額がいくらになっていようとAの保証人としての責任を負ってしまうことになるのを「極度額」を設定することで
その「極度額」の範囲までの保証人の責任しか負わないということになります。

身近な場面では冒頭にあげたような事例
・自分の父親が有料老人ホームに入所する際に子供が保証人になるという、有料老人ホームとの間で取り交わすホーム内での事故等に起因する賠償責任についての保証契約
・自分の子供が賃貸アパートに入居する際の保証人に自分がなる場合の賃借人の不法行為等による賠償責任についての保証契約
などがありますが個人根保証契約について「極度額」の設定が書面等でされていないものは契約自体が無効になります。

よく言われることですが、保証人になる場合は慎重に判断することが必要です。自分が予期していない範囲まで責任を負うような内容になっていないか、契約書をよく確認する必要があります。

相続放棄と税金

2021-06-10

相続放棄をすると被相続人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続しないことになります。

マイナスの財産というと、被相続人が負っていた借金はもちろん、税金(公租公課)も含まれます。具体的には固定資産税、住民税、国民健康保険料、介護保険料、所得税などです。

たまに「税金はいつまでも免除されない」と勘違いされる方もいますが「税金はいつまでも免除されない」という話は、破産後に免責をうけた場合のことです。相続放棄をすれば亡くなった方の税金の支払義務は相続放棄をした人に引き継がれることはありません。

注意しなければならないのは、被相続人のもとに送付されてきた税金(公租公課)の督促状や支払納付書を見て相続人が死後事務のつもりで支払ってしまうことがあることです。

被相続人の債務を相続人が弁済することは、相続人が相続を承認したと評価されてしまいます。
相続放棄をするのであれば、相続の承認と評価されるような行為はするべきではありません。

税金や保険料の納付はコンビニで本人以外の人でも納付書さえあればできてしまいますから、安易に自分以外の人(被相続人)の分を納付してしまった、ということのないように相続放棄を検討している場合は注意が必要です。

小川司法書士事務所の相続放棄のページはこちら

 

 

 

 

ゆうちょ銀行の相続手続き

2021-04-19

ゆうちょ銀行の相続手続きについての解説ページです。ゆうちょ銀行の相続手続きは、他の銀行と比べて窓口に行く回数が多くなります。平日なかなか時間が取れない方は司法書士の遺産整理業務を依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。

相続放棄と代襲相続

2021-04-18

相続放棄と代襲相続の関係についてご案内するページです。相続が発生した順番と相続放棄をする順番がポイントになります。下のイラストをクリックすると該当ページに移動します。

 

家族信託の受託者の義務~帳簿の作成・保管~

2021-04-05

家族信託がスタートすると、受託者は信託に関する事務について帳簿を作成して保管しておく義務があります。このことについて解説したページがこちらです。

不動産の持分を訂正したい場合

2021-04-03

 毎年、確定申告の時期になると住宅ローンを組んでマイホームを取得した方で「不動産の持分の更正登記をしたい」という相談に来られることがあります。
 いろいろ調べたり、相談したりして結局、「持分更正登記をしたほうが良い」ということになって司法書士事務所に相談に、という流れのようです。

 不動産の持分更正登記にもいろいろなパターンがありますが、たとえば3000万円のマイホームを購入したというAさんが、住宅ローンでの借入分を含めて全額をAさんの資金で購入したのであれば、マイホーム(土地・建物)の登記名義は100%Aさんになるはずです。

 ところが実際は3000万円のマイホームの頭金500万円のうち、300万円はAさんの父親Bさんが資金援助していた、という場合はどうでしょうか。
 この場合、3000万円のマイホームの300万円部分、つまり全体の持分でいうと「10分の1」は、AさんではなくBさんが資金を出しているわけです。
 それなのにマイホームの売買契約書には買主としてAさんしか載っていないし、登記簿(登記記録)にも所有者としてAさんしか記載されていません。

 これでは実体に合った権利関係(=お金を出した割合に応じた持分での登記)が登記簿(登記記録)に反映されているとはいえません。
 実際にはBさんがお金を出しているのに、登記上はすべてAさんのものになっているすると、税務上は、Bさんがお金を出した分はAさんに「贈与をした」と認定されてしまう可能性もあります。
 「BさんからAさんへの贈与」ということになると、当然贈与税の問題が出てきます。

 そこで現状、登記簿(登記記録)に「所有者A」の記載されているのを「共有者」に訂正し、「持分10分の9・A、持分10分の1・B」と訂正しましょう、ということになる訳です。

 所有権更正登記がされると、登記簿(登記記録)の所有権に関する事項(甲区)は次のようになります。

図1

 ただし、登記簿(登記記録)がこのように記載されるためには(=所有権更正登記をするためには)住宅ローンが付いている場合、融資をした銀行(抵当権者)の承諾が必要になります(登記手続き上は承諾書と印鑑証明書の添付が必要です)。

 ここでの重要なポイントは、融資をした銀行(抵当権者)が、この所有権更正(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正すること)に承諾をする、ということは融資をした銀行(抵当権者)は、Bの共有持分については抵当権の効力を有しないという点です。
つまり融資をした銀行(抵当権者)は、A・Bの共有状態になっている不動産について、更正後のA持分についてだけ抵当権を付けている状態になってしまうわけです。

この場合の登記簿(登記記録)の抵当権に関する事項(乙区)は次のようになります。

図2

 融資をした銀行(抵当権者)権利の保全の観点からすると、担保不動産の一部にしか抵当権が及んでいないという状態が許される訳がないのは明らかです。
 ということで、融資をした銀行(抵当権者)が、この所有権更正(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正すること)に、このままでは承諾しないだろうということも容易に予想ができます。

 では「Aの単独所有をA・Bの共有に訂正する」のは住宅ローンが付いている場合にはあきらめざるを得ないのか?というと必ずしもそうではありません。

方法として以下の2つが考えられます。

①Bの持分に対しても追加で抵当権を設定してA・Bの共有持分全部(不動産全体)に抵当権の効力を及ぼす
②真正な登記名義の回復によって所有権更正登記ではなく、所有権一部移転登記をする

 ①と②のどちらの方法を採るかは融資をした銀行(抵当権者)の対応の仕方にもよって変わってきますし、住宅ローンの約定に抵触するかどうかの判断も必要となってきます。
 いずれにしても融資をした銀行(抵当権者)と協議をして手続きを進める必要があるということになります。

 一番良いのは、マイホームを購入するときに購入資金の出所(出資割合)をきちんと確認して、その割合にしたがった共有持分での所有権移転登記をすることです。

 共有持分を訂正するための所有権更正登記(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正する登記)は、購入した本人だけで簡単にできる訳ではないことが多く、手間も費用も余計にかかります。

 マイホームを購入するときに資金の出所をきちんと確認して登記手続きに反映しておけば、このような手間と費用をかける必要はないわけですから気をつけたいところです。

 小川司法書士事務所では、マイホームの持分更正登記手続きについてのご相談も受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

全国の司法書士会の相続登記相談センター

2021-03-02

3月1日から全国の司法書士会に「相続登記相談センター」というものが設置されました。

相続登記がなかなか進まない現状を踏まえて、いままで義務ではなかった相続登記等の登記手続きを義務化する内容の法案が検討されていますがこれに対応した取り組みのようです。

■「相続登記相談センター」全国統一フリーダイヤル 0120-13-7832(いさんのなやみに)に電話すると最寄りの司法書士会に自動でつながるそうです。受付時間は平日の10 時~16 時です。

小川司法書士事務所の相続登記のページはこちら

 

家族信託に関する質問

2021-02-17

家族信託に関する質問【家族信託は自分たちだけでもできますか?】について記事を追加しました。

柏駅から事務所までの案内図

2021-02-12

 当事務所へお越しになる際のアクセスページはこちらです。

 上記はグーグルマップでご用意していますが、「印刷できる地図が欲しい」とのご要望をいただきましたので簡易な地図を用意しました。下記リンク(.pdf)こちらから印刷してご利用ください。

 小川司法書士事務所柏駅からの案内図

 

相続人に連絡が付かない人がいる場合

2021-02-11

【相続人に連絡が付かない人がいる場合】

「相続人に連絡が付かない人がいる」場合、遺産整理手続きや相続登記をしたいというご相談をいただくことがあります。

相続人である限り、「連絡が付かない」という理由だけでその人を除外して(なかった人として)手続きを進めて良いことにはならないのは当然ですが
「連絡が付かない」理由にもいろいろあるようです。

【相続人に連絡が付かない理由】

相続人と連絡が付かない理由としては次のようなものがあります。
・疎遠で長期間連絡を取っていないため音信不通になっている
・行方不明
・外国人と結婚して海外に行っていて音信不通になっている
・縁を切っている
等々

その中でも今回は相続人が行方不明の場合を考えます。

【調査してみると連絡が付く場合も】

 相続登記や遺産整理手続きで「相続人の所在が分からない」と相談に見える方でも、戸籍謄本などから住民登録をしている場所は調査できますので、長年連絡を取っていないという場合でも、その調査をきっかけに連絡が付いて無事相続登記や遺産整理手続きが完了する場合もあります。

【相続人が行方不明の場合】

 相続人の中に行方不明の人がいる場合に遺産整理の手続きを進めるためにはどうしたら良いか、というと2つの方法が考えられます。
1つは不在者財産管理人(ふざいしゃざいさんかんりにん)を立てて、行方不明の人に代わりに財産管理をしてもらう方法です。
2つめは、失踪宣告(しっそうせんこく)により行方不明の人について死亡したものとみなしてもらう方法です。
 不在者財産管理人も失踪宣告も家庭裁判所の手続きになりますので、申立をしてそれが家庭裁判所に認められなければ手続きは前に進みません。
 どちらの手続きも、もし本人が生存しているとしたら本人の知らない間に自分の財産を管理されたり場合によっては処分されたりすることになる訳ですから、認められるためには細かい要件が定められています。

【不在者財産管理人】

 相続人の中に行方不明の人がいるけど、相続手続きで遺産分割協議をする必要がある場合、行方不明の人の代理人として「不在者財産管理人」を立てて、その人に遺産分割協議に参加してもらうことで相続手続きを進めることがあります。
相続財産管理人を選任するのは、行方不明になっている人が住所をおいていた場所、または実際に生活の本拠としていた場所を管轄する家庭裁判所です。

 ただし、不在者財産管理人が選任されれば直ちに遺産分割協議が可能になる訳ではありません。
なぜかというと、不在者財産管理人は、原則として不在者の財産を不在者が戻ってくるまでの間、維持・保全しておくことがメインの仕事ですので、積極的な財産の処分はこれにあたらないからです。
 遺産分割協議は財産の処分にあたるとされているため、これを行うためには家庭裁判所の「権限外許可」を得る必要があります。
また遺産分割協議の内容としては最低でも不在者の法定相続分を確保するものでなければならないとされています。

参考 民法第25条(不在者の財産の管理)
第1項 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
第2項 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

【失踪宣告】

 失踪宣告にもいくつか種類がありますがいわゆる行方知れず、という場合は「普通失踪」というものになります。
これは行方が分からなくなった人の生死が7年間分からなくなっている場合に家庭裁判所に申立てをすることで法律上死亡したものとみなす効果を生じさせることになります。
 本当は死亡していないかもしれないけれども、長期間にわたり生死が不明な状態を続けていると法律関係がいつまでも不安定なままになってしまうので、法律上死亡したものとして取り扱います、という制度です。

 法律上死亡したものとみなすだけですから、実際どこかで生存していたことが後日分かる場合も考えられます。
また死亡したものとみなされた時期が実際とは違っていることが判明したという場合も考えられます。
(例 失踪宣告では令和3年2月11日に死亡したものとされたが、実際は平成30年12月5日に死亡していたことが判明した)
 このような場合どうしたら良いのかについても民法で定められています。

 失踪宣告を受けた人が生きていた場合や、失踪宣告による死亡時とは異なる時に死亡したことが判明した場合は、本人や利害関係人が、家庭裁判所に対して、失踪宣告の取消を請求して失踪宣告を取消してもらうことになります。
 失踪宣告が家庭裁判所によって取消されるとはじめから失踪宣告がなかったことになります。

 失踪宣告がなかったことになるのですから、死亡を前提にして発生した法律関係も元に戻ることになります。
 ただそうすると、失踪宣告があったこと(失踪者が死亡したこと)を信じて手続き等をした人に不利益を与えることもありますから、失踪宣告の取消し前に善意(知らないで)でした行為の効力には影響しないとされています。
 また失踪宣告を原因として直接に財産を得た相続人や受遺者は、事情を知らなかったとしても現に存在している利益の返還義務を負うことになります。
 事情を知っていた人は受けた利益に利息を付して返還する義務を負うことになります。
 失踪していた人にとっては多少酷な取扱いになるのかもしれませんが、失踪宣告によってその後の法律関係を構築してきた人たちとの利益調整としてこのような立て付けになっているようです。

参考 民法第32条(失踪の宣告の取消し)
第1項 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
第2項 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

【不在者財産管理人か失踪宣告か】

 相続人が行方不明である場合、「どちらの制度を利用したら良いのですか?」と迷われる方もいるかと思いますが、民法第30条第1項では「不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。」と規定されています。
 つまり失踪宣告の申立手続きをするにしてもその人が「不在者」であることが前提となっているわけです。
 その上で要件を充たしているのであれば失踪宣告の申立を検討することになります。

 最後に重ねての指摘になりますが、上記不在者財産管理人の項目でも触れたように不在者財産管理人をおいた場合の遺産分割協議ではその法定相続分を確保する必要があることや、失踪宣告の場合は、それをもとに相続が発生したことになる訳ですから、
その人の財産上の権利を無視してその後の手続きを進められるようになる訳ではないことに注意が必要です。

 小川直孝司法書士事務所では不在者財産管理人選任申立所の作成、失踪宣告申立書の作成についてのご相談も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

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