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相続放棄は1人でもできる?

2021-01-07

法定相続人自分以外にも何人かいる場合、自分だけ相続放棄申述の申立ができますか?というご質問がありました。

答えとしては「1人だけでも相続放棄は可能」ということになります。

他の相続人が相続放棄をする・しないといった状況に関わりなく自分自身の判断で決めることが可能です。(実際には他の相続人と一緒に相続放棄のご相談にいらっしゃる方が多いです。)

相続人の1人が相続放棄をすると、その人は最初から相続人ではなかったとみなされますから(民法第939条)、他の相続人の法定相続分が増えたり、次順位の法定相続人が登場したりすることもあります。

参考 民法第939条

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 

相続放棄申述申立書のページ

 

 

相続放棄と年金

2020-03-14

相続放棄の申述にあたり「自分は相続放棄をしても問題ないだろうか?」と心配になるケースがあるようです。

たとえば亡くなられた方には多額の負債があり、相続人の妻としては相続放棄をしたいと考えているが、亡くなった夫が年金受給者だった場合、相続放棄をしてしまうと妻の遺族年金がもらえなくなってしまうのではないか?という心配です。
また未支給年金の手続きもできなくなってしまうのではないかと心配される方もいます。

しかし遺族年金も未支給年金も亡くなった夫名義の相続財産ではありません。
つまり相続人としての立場ではなく、受給権者個人の立場で受け取るものですので、相続放棄をしたかどうかに関係ありません。

国民年金法には次のように定められています。
(未支給年金)
第19条 年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、
その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であつて、
その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。

この「自己の名で」というのは、その人の固有の立場でという意味ですから、亡くなった人の相続人としてという意味ではないことが明らかです。

最高裁判所の判例でも国民年金法第19条について「相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付の支給を認めたもの」としています(平成7年11月7日最高裁第三小法廷判決)

結論

遺族年金も未支給年金も相続財産とはみなされないため、それらを受給した後でも相続放棄はできる。

ということになります。

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