家族信託を行う際には、委託者(財産の保有者)と受託者(財産の管理・処分を託される人)の間で契約を結び、各財産について信託をした旨の登録等をして管理をします。不動産を信託財産とする場合は、信託の登記をします。
下記は、当事務所でご相談いただく際、どのように信託契約の内容を作成していくかを示しています。ご本人たちだけでは難しい手続きですが、専門家が間に入ることで、お客様の声をヒアリングしながらスムーズに設計をしていきます。どうぞ安心してご相談ください。
このページの目次
【家族信託の設計方法】
STEP1:家族信託で実現させたい目的(信託の目的)を明確にする
最終的に、「財産をどのようにしたいのか」という信託の目的を決める必要があります。何のために家族信託をするのか。たとえば、「認知症対策をしたい」、「自分が元気なうちに財産の分け方を決めておきたい」、「共有名義の不動産の相続や管理によるトラブルを予防したい」など、信託は幅広く活用できます。
じっくりヒアリングさせていただき、お客様の想いをしっかりと反映させた信託の目的を考えてまいります。
STEP2:信託する人・財産を管理してくれる人を決める
STEP1で決めた信託の目的を達成するために、具体的に「誰に財産を引継いでいくのか」、「誰に財産管理をお願いできるのか」を検討します。
STEP3:信託する財産をきめる
どの財産を信託するかを決めます。
信託できるのは、不動産のみではありません。金銭や有価証券、ペットなどの動産も可能です。
STEP4: 信託の終了時期と事由を決める
信託をいつどのタイミングで終了させるかを決めます。
父が死亡したら終了させるのか、父が死亡したら母のために信託を継続させるのか税理士のアドバイスも交えて、信託のおわりのタイミングを決めていきます。
これらの設計は、お客様のお話を伺いながら家族信託専門士である司法書士が行います。
【家族信託の流れ】
家族信託のご相談を受けてからの実際の手続きの流れは以下のようになります。
ご相談 |
初回のご相談は委託者ご本人でもご家族でも構いません。
相談者のご家族の状況をお聞きして家族信託についてもご案内します。
家族信託についての提案 |
ご相談の中で家族信託について実際に利用したい、利用できるかもしれないという方に対し、司法書士が家族信託の提案書を作成し、ご家族に同席していただき家族信託についてのメリット・デメリット等を説明します。
(以下続く)
このように、家族信託の手続きを進めるためには、当事務所では、相談者や家族信託契約の当事者(親子)だけではなく、そのご家族全員の同席をお願いしております。
このように家族全員の同席(家族会議)をお願いしているのは、家族信託が「家族のための信託」であると説明されているとおり、家族全員のための財産管理の手法である以上、一部の家族だけで手続きを進めてしまうと、せっかく作り上げた仕組みがあとからトラブルの下になってしまうことがあるからです。
遠方に居住している場合でしたらWEB会議にて参加していただくこともあります。ご家族の中にすでに認知症の方がいるとか、行方不明の方がいるなど事情がある場合は別として、家族信託についてしっかり理解していただき、信託契約後に誰がどのような財産管理をしていき、税金の管理等もどのように進んでいくのかも確認してから家族信託契約の手続きを本格的に進めていくことは非常に大切なステップです。
この家族会議を通じて、はじめて親御さんの財産状況が分かった、というお子さんもたくさんいらっしゃいます。実際のところ、自分の両親がどれくらい資産を有しているのかは、なかなか聞くこともはばかられることでしょう。しかし、家族信託の手続きでは親御さんの総資産がとれくらいあって、そのうちのどれくらいの財産を子供に任せるのか(信託するのか)をはっきり決めなければなりません。
ご家族だけの話し合いだと気まずいという場合でも、家族信託の専門家である司法書士が家族会議に同席することで金銭的なデータも家族信託をするために必要な事項としてヒアリングさせていただくことになるためお子さんの立場としても安心です。
また家族信託の手続きを進めるために、現在の親御さんの状態や今後介護が必要となるかもしれない場合に備えて家族でどのように協力し合っていくか、といった具体的なイメージ作りにも家族会議は役立っています。
家族信託は、親御さん以外のお子さんたちが自分たちの利益のために役立つものではありません。あくまで委託者(受益者)である親御さんたちが亡くなるまで安心安全に生活が送られるようにするための財産管理の手法です。このことを家族会議に同席した司法書士が家族の皆様に説明をして十分ご理解いただくことでスムーズに家族信託の手続きを進めていくことができるケースが多いです。
「家族信託をして良かったです。」という当事務所を利用されたお客様の中には、この「家族会議の機会を持てたことが一番の収穫だった。」という方もいらっしゃいました。
ご本人が亡くなる前に、ご本人が認知症になった後の話や、相続の具体的な話をご家族の間で頻繁に話し合うということはあまりないでしょう。
このような意味でも家族信託の手続きは、「家族のため」に是非皆さんに利用していただきたい制度です。
小川直孝司法書士事務所では家族信託の手続きのご相談・お見積もりは無料です。お気軽にお問い合わせください。