こんなときは家族信託・実家が空き家になり管理や売却が心配

【ご家族の状況】

委託者 父Hさん:74歳
受託者 長男Oさん:48歳
当初受益者 父Hさん:74歳
第二受益者 母Tさん:73歳
※二男は海外在住
信託財産:父の住んでいる家と現金

 

 

【ご相談内容】

ご相談者は神奈川県在住の長男とそのお父さん。父と母が松戸市内の実家で暮らしている。父はしっかりしているが、母は最近認知症のような言動が増えてきていてケアマネさんの勧めもあり週2回のデイサービスとヘルパーさんに来てもらっている。

お父さんとしては、「最近妻の認知症が進んでいるようで心配。自分が元気なうちは妻の世話をしていこうと思っているが、自分もいつまでも元気でいられるわけではないことも自覚している。息子が心配してくれているし、自分が元気なうちにできることはしておきたい。」とのことでした。

息子さんとしては、「父も母もできるだけ自宅で生活してもらいたいが、いずれ老人ホームなどに入ることになったときに空き家になる自宅の処分ができないと困る。自分は自宅に住むことはないし、他人に貸すような家ではない。父と母どちらが先に逝くかわからないが、できるだけのことはしてあげたい。」とのことでした。

 

【家族信託のご提案】

家族信託で、息子さんに不動産の名義変更をし、現金も合わせて信託することにしました。

委託者:お父さんH
受託者:息子さんO
当初受益者:お父さんH
第二受益者:お母さんT

信託の目的:受益者の生活・介護・療養・納税・扶養等に必要な資金を給付して幸福な生活及び福祉を確保し、財産の適正な管理・運用・保全・活用を通じた受益者の生涯にわたる安心安全かつ平穏な生活を実現する。

 

 

【家族信託をした結果】

信託を原因として息子さんに所有権移転することで

  1. 最初は、お父さんのために息子さんが信託財産を管理することができる。もちろんお母さんはお父さんの扶養に入っているので息子さんはお父さんの扶養義務を果たすためにお母さんの生活費も支出することができる。
  2. お父さんが亡くなった後は、息子さんは第二受益者であるお母さんのために信託財産を管理することができる。
  3. 贈与税がかからず、贈与より安い登録免許税で名義移転をすることができた
  4. 信託で預けているだけの状態なので、不動産取得税もかからず名義移転できた
  5. 信託契約費用はかかったが、贈与と比較すると安価に済ませる結果となった
  6. 空き家になった実家を売却する時にお父さんが認知症になっていても、息子さんの契約と印鑑で売却できるようになった
  7. 売却後は、売却代金を介護費用として息子さんが管理できるようになった。

 

【今回のケースでは】

お父さんの心配はご自身のことというよりも、どちらかというと認知症が進みつつある奥様のことのようでした。

お父さんご自身が認知症になっても、亡くなった後であっても、きちんと奥様の生活環境を整えておいてあげたいという気持ちに息子さんも快く「受託者」という立場を受け入れてくださいました。

海外在住の弟さんにも当事務所からメールやWEBカメラで直接説明させていただいたり資料の送付もさせていただき家族信託の利用についてご了解いただけました。

家族信託を利用した結果、お父さんが自分自身で不動産を処分したり生活費の心配をせずとも、息子さんがしっかり信託財産を管理していってくれる「家族で家族の財産を守る」仕組みができました。家族信託の公正証書ができあがり、お父さんが正本を手にしたときには笑顔が印象的でした。

小川直孝司法書士事務所では、家族信託のご相談・お見積もりは無料です。お気軽にお問い合わせください。

【このケースから分かる家族信託の注意点】

「実家の管理や売却が不安で」という方が家族信託を検討する場合に注意しておくべきポイント、検討すべきポイントを挙げます。他のページでも紹介している事項ですが家族信託においてとても大切な点なので繰り返しご案内しています。

  • 家族信託で財産管理を託された受託者と委託者の信頼関係があるか。
  • 委託者は公正証書で締結される信託契約の内容について正確に理解しているか。
  • 受託者は信託契約で定められた「信託の目的」にしたがって信託事務を遂行していく義務を理解しているか。
  • 受託者は実家の売却をして得られた売却代金を信託財産として引き続き管理していく義務を理解しているか。
  • 受託者が行う信託財産の管理について第三者がチェックする仕組みを検討しているか。
  • 信託によって利益を受けることができる受益者が認知症などになって自ら意思表示ができなくなった場合、受益者の権利を保護するための仕組みを信託契約の中に定められているか。
  • 委託者・受託者になっていない親族もこの家族信託の内容を理解しているか。
  • 信託が終了した場合の帰属権利者の定めについて紛争が生じるリスクはないか。
  • 遺留分について慎重に検討しているか。

などです。

 近時、家族信託の仕組みが広く知られるようになってそのメリットが強調されるあまり、委託者(多くの場合親御さん)の意向を軽んじるような組成が問題になっているようです。

 当事務所では家族信託その組成にあたっては、原則として委託者である親御さんや信託契約の当事者とはならないご家族を含めた家族会議をお願いして家族信託の内容について十分理解を深めていただいて手続きを進めてもらっています。また家族会議には司法書士も同席させていただいております。そのような仕組みや信頼関係を構築できない場合は、家族信託のサポートをご提供できないためご依頼をお断りすることになります。

 

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