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未登記建物を相続するには?

2025-04-20

 

相続のご相談を受けていると、「親の家が未登記だったのですが、どうすればいいですか?」というご質問をよくいただきます。未登記建物に関する手続きは、通常の登記済み不動産と比べて少し複雑で、不安を感じられる方も多いのが現状です。

今回は、未登記建物の相続について、専門用語をなるべく使わずに、順を追って丁寧に解説していきます。相続の第一歩として、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

【未登記建物とは?】

まず、「未登記建物」とはどういう状態かご存知でしょうか?
建物や土地などの不動産は、本来、法務局に所有者情報を記載(登記)しておくことで、その不動産が誰のものかを第三者に対して主張できるようになります。ところが、何らかの事情で建物の登記がされていない状態、つまり法務局に所有者の情報が登録されていない建物を「未登記建物」といいます。

【未登記建物の例】

  • 昭和の時代に建てられた古い家屋で、建築当初から登記されていなかったケース
  • 自己資金で建物を建てたため登記の必要性を知らずにそのまま放置していたケース
  • 増改築を行った後に登記を怠ってしまったケース

【なぜ登記されていないと困るのか?】

未登記建物のままでは、次のような問題が発生します:

  • 相続登記ができない:登記されていない建物は、法務局の登記情報では検索できず「所有者」が誰か分からない状態です。その建物の名義を相続人に変更するためには、まず「登記する」必要があります。
  • 売却・担保提供が不可能:登記されていない建物は、第三者に対してその所有を証明できないため、売却や住宅ローンの担保として利用できません。
  • 相続人間のトラブルの原因に:登記されていないことで「誰のものか」が不明確なため、相続人同士で揉める原因にもなり得ます。
  • 相続人が複数いる場合などは、特に登記をしないことで大きなトラブルにつながる可能性があります。

【未登記建物の相続手続きの流れ】

未登記建物を相続する場合、次のような手順で手続きを行います:

  • 固定資産税の通知書を確認

   まず、その建物に対して誰の名義で固定資産税が課税されていたのかを確認します。

   これは市区町村から送られてくる納税通知書に記載されています。

   多くの場合、被相続人(亡くなった方)の名前になっていますが「納税管理人」や「相続人代表者」が記載されている場合もあります。

  • 表題登記を行う(必要に応じて)

   建物が一度も登記されていない場合、最初に「表題登記」という手続きが必要です。

   これは建物の所在地・構造・床面積などの物理的な情報を法務局に登録するもので、土地家屋調査士が行う専門的な手続きです。

   この登記は相続人から相続人の名義で申請することができます。

  • 所有権保存登記

   表題登記が完了したら、次に「所有権保存登記」を行います。

   これは、建物の所有者を登記記録の権利部という欄に登記する作業です。この段階で、登記識別情報(権利証にあたるもの)が発行されます。

 

【未登記建物の相続に必要な書類】

未登記建物の相続登記には、以下の書類が必要になります

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式
  • 相続人全員の戸籍謄本・住民票
  • 固定資産評価証明書(市区町村役場で取得)
  • 相続関係説明図(司法書士が作成)
  • 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
  • 建物の写真、建物図面等(表題登記時に必要)

 

【未登記建物の相続費用の目安と期間】

建物の状態や所在地域によっても異なりますが、一般的な費用の目安は、

土地家屋調査士(表題登記):10万円〜20万円前後

司法書士(保存登記・相続登記):3万円〜5万円程度

登録免許税(固定資産評価額×0.4%)

期間としては、必要書類が揃ってから1ヶ月〜2ヶ月程度が一般的です。

 

【まとめ】

未登記建物の相続は、通常の相続よりも手続きが増えるため、放置してしまうと相続人全員が高齢化したり、戸籍の取得が困難になるなどの問題が発生します。

そのため、できるだけ早く司法書士や土地家屋調査士といった専門家に相談し、必要な登記を済ませておくことがスムーズな相続の第一歩となります。

不動産の相続でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

代表取締役の住所が登記簿に載らない?

2025-04-08

【そもそも、なぜ代表取締役の住所が登記されていたのか?】

会社の登記簿(登記事項証明書)には、これまで代表取締役の氏名と住所が必ず記載されていました。

これは「会社の重要な意思決定を行う人物が誰であるか」「その人物と連絡が取れるようにするため」という理由からでした。

しかし近年SNSの普及等に伴い、代表取締役のプライバシーや安全性の確保が強く求められるようになり、登記事項証明書に記載される「代表取締役の住所」という個人情報の悪用を防ぐ観点からもこの制度の見直しが進みました。具体的には

・住所を公開することになるから起業を躊躇する

・ストーカー行為等の被害

・過度な営業行為等誘発 などの懸念があがっていました。

 

【 代表取締役の住所非表示制度とは?】

これを受けて商業登記規則等の改正によって令和6年10月1日から次のようなことが可能になりました。

新たに就任する代表取締役の住所を、登記簿に表示しないことができる

既存の代表取締役についても、一定の手続きを経て非表示に変更できる

この制度の導入により、登記事項証明書を見ただけでは代表者の自宅住所がわからないようすることが可能になりました。

具体的にはこれまでだと代表取締役の住所は「東京都千代田区一丁目1番1号」のようにすべて公開されていました。

ところが住所非表示制度を利用すると「東京都千代田区」までと行政区画以外の部分については表示がされないことになるわけです。

 

【住所非表示にするための手続きとは?】

非表示にするには、次のようなポイントがあります。

  • 就任登記の際、住所を記載しない特別な申請書式を使用する必要があります。
  • すでに住所が表示されている場合は、代表取締役の住所が登記すべき事項に含まれる登記申請と同時に申し出る必要があります。
  • 一部の会社では、定款の記載や社内手続きも見直す必要がある場合があります。

これらの手続きは、一般の方には少し複雑ですので、司法書士に依頼することをおすすめします。

【 注意点:完全に住所情報が消えるわけではない】

住所非表示制度とはいえ、法務局には住所情報が届出されており、行政や裁判所などの公的機関は確認できます。
つまり、登記簿に載らないだけで、法的な責任や義務がなくなるわけではありません。

【 最後に:この制度は「選べる」ものです】

住所を非表示にするかどうかは、会社ごとに任意で選択できます。

代表取締役の住所非表示を選択したことで日々の取引の場面で手間が増えることになったという声も聞きます。

公開性とプライバシーのバランスを見極めながら、自社にとって最も適した対応を選びましょう。

 

民事信託士

2025-04-07

民事信託士の新しい登録証が届きました。

民事信託の分野は新しい情報が更新されていますので研修や書籍等で情報のアップデートが必要です。

自己研鑽を怠らないようにしたいと思います。

登記情報提供サービスのシステムメンテナンス

2025-03-08

「システムメンテナンス等のため、下記のとおり登記情報提供サービスは利用できません」と告知がありました。

年度末の土曜日なので利用される方は注意が必要です。

 

千葉銀行の相続手続き(払い戻し・名義変更)

2025-03-06

相続プラス内の記事監修をさせていただきました。

【千葉銀行の相続手続き(払い戻し・名義変更)を徹底解説】

 

戸籍にフリガナが記載される

2025-03-05

令和8年5月26日以降に戸籍にフリガナが記載されるようになるようです。

そのための準備として令和7年5月26日から順次、本籍地の市区町村から戸籍に記載される予定の氏名のフリガナが通知されるそうです。

「あなたの戸籍上のフリガナはこれで間違いないですか?」という通知で間違いがなければそのまま何もしなくて良いみたいです。

 

登記事項証明書や印鑑証明書の交付手数料が変わります

2025-02-25

令和7年4月1日から登記事項証明書や印鑑証明書の交付手数料が改定されるようです。

相続登記の義務化

2025-01-23

【相続登記の義務化】

 令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。

 令和3年4月21 日に「民法等の一部を改正する法律」と「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立・4月28 日に公布

【相続登記の義務化とは?】

従来、不動産を相続登記しても行う義務はありませんでした。しかし、このままでは所有者不明の土地や建物が増加し、社会問題化してしまう恐れがありました。このため、新たな法律では、不動産を相続した人は相続を知った日から3年以内に登記を完了させる義務が課されます。

注意点:

  • 相続登記の義務に違反すると罰則が科される可能性があります。
  • 登録申請をしないまま放置すると、不動産の売却や利用に支障が出る場合があります。

【相続登記をいつまでもしないでそのままにしていると。。。】

・相続登記に必要な書類が取得できないことがある。
・法定相続人が増えてしまうことがある。
・法定相続人と連絡が取れなくなってしまうことがある。
・相続税の申告が必要な場合に支障が出ることがある。
・遺産分割協議がまとまらなくなることがある。

【相続登記や法定相続情報に必要な書類が取得できないことがある。】

相続登記に必要な書類の1つとして被相続人に関する除籍謄本があります。
この場合の除籍謄本は、出生時までさかのぼって取得する必要があります。
被相続人の父または祖父などが筆頭者(戸主)になっているものです。
相続登記をしないまま何十年も経過している土地についての相談を受けることがありますが、登記名義人である被相続人の出生時までとなるとそこから何世代にもわたって相続が発生していて「保管期間経過により除籍謄本を交付できません。」として出生時までの除籍謄本が取得できないことがあります。
もっとも、法務省の通達(平成28年3月11日民二第219号)により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば、相続登記をして差し支えないとされていますので相続登記に関しては支障はありません。
これに対し、法定相続情報の申出の場合は原則として被相続人の出生時までの除籍謄本の提出が求められています。

【法定相続人が増えてしまうことがある】

被相続人が亡くなった時点では法定相続人は子供たちだけだったのが、その後相続登記をしないままで年数が経過していく間に、その子供たちも亡くなってしまった場合を想像してみてください。
被相続人の子供たちにも相続が発生してしまうと、被相続人の遺産分割協議には被相続人の子供たちの法定相続人が何人も登場してくることになります。
被相続人の直系にあたる孫同士となると今の時代、疎遠になっているかもしれません。
被相続人の子供が亡くなっているとその配偶者が相続人になる場合もあります。その後、被相続人の子供の配偶者も亡くなってしまうと、今度は別家系の親族との間で遺産分割協議をしなければならなくなってしまうこともあります。

【法定相続人と連絡が取れなくなってしまうことがある】

相続登記のご相談の中で「相続人の連絡先が分からない」というお話しをいただくこともあります。
戸籍が日本にある限り、住民登録上の住所を確認することは可能ですが「手紙を出しても返事がない」とか、「住民登録上の住所に居住実態がない」などということもあります。
また相続人が外国人と結婚して日本国籍を離脱した場合、日本の戸籍記載事項からその人の外国の住所を確認することはできません。

【相続税の申告が必要な場合に支障が出ることがある】

被相続人の遺産からして相続税の申告が必要な場合、死亡日から10ヶ月以内に相続税の申告をしなければなりませんが、相続税の申告は相続人全員から行うことになっています。
また相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立していなければ「未分割」での相続税の申告をせざるを得ません。
この場合、法定相続分による財産の分割を前提に相続税を計算して申告をします。
その後、遺産分割協議が成立して法定相続分とは異なる割合で遺産分割が行われたのであれば、相続税の修正申告をする必要があります。
なお「未分割」での相続税の申告をしてしまうと、いわゆる「小規模宅地の特例」や、「配偶者控除」を受けることができないので納付する税額も大きく変わってきます。
ただし、「申告期限後3年以内の分割見込書」を「未分割」での相続税申告と同時に提出し、申告期限から3年以内に遺産分割が成立すれば配偶者控除を受けることもできます。
このあたりは税理士さんのお仕事になりますが遺産整理業務を取り扱う司法書士としても心得ておく必要があります。

【遺産分割協議がまとまらなくなることがある】

被相続人の遺産について遺産分割協議をしないで長年放置している背景として「そもそも遺産が少ない」とか、「遺産の取得に興味がない」とか、「相続人と話をしたくない」などといった事情が存在するケースもあります。
特に「遺産の取得に興味がない」というのは、社会問題にもなっている「空き家問題」とも関係している点です。
上記の「法定相続人が増えてしまう」とも相まって被相続人の死亡から時間が経過すればするほど遺産分割協議がまとまる可能性は低くなって行ってしまうこともあります。
「遺産分割協議がまとまらない」ことへの解決方法として遺産分割に関する「調停の申立」を家庭裁判所に対して行う方法もありますが、そもそも被相続人の死亡から長い期間が経過しているとこれも上記の「法定相続人と連絡が取れなくなって」いることもあり、調停の相手方を特定することすら困難を極めるという事態も考えられます。
こうなると、「なんとか自分の世代で遺産分割協議を成立させて名義変更をしてすっきりさせたい。」とか「自分の子供の世代にこのごちゃごちゃした相続問題を引き継がせたくない。」という思いも心が折れてしまう方もいるようです。

 

【まとめ】

このような問題に直面しないようにするためにはどうしたら良いか?というと
「相続が発生したらなるべく早めに遺産整理の手続きを済ませるようにする。」ということに尽きます。
相続が発生したらなるべく早めに遺産整理の手続きを済ませておけば

  • 相続登記に必要な書類が期限切れで取得できないことという心配もありません。
  • その後に法定相続人が増えてしまうこともありません。
  • 以後に最悪、法定相続人と連絡が取れなくなってしまっても少なくとも遺産整理手続きで困ることはありません。
  • 相続税の申告で支障が出ることもありません。
  • 遺産分割協議がまとまらなくなるという事態はありません。

「相続登記はお早めに」というキャッチフレーズを司法書士会などで目にすることもありますが当事者目線で見るとなるほどという感じもします。

 

 

 

 

不審なメールや電話にご注意ください

2025-01-20

小川司法書士事務所(司法書士小川直孝)では、ショートメッセージにURLを記載した案内を送信することはありません。

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フィッシング対策協議会(フィッシング対策協議会のホームページに移動します。)のホームページに、フィッシング詐欺の詳細が掲載されておりますので、ご参照ください。

離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~

2024-12-14

法務省のサイトに「離婚を考えている方へ~離婚をするときに考えておくべきこと~」というものがあります。

離婚をするときに決めておくべき事項や相談先が記載されています。

すべてを自分だけで考えたり決めることが難しいケースもあると思いますので専門家に相談することをお勧めします。

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