2022年1月から2022年12月の間の成年後見関係事件の概況が最高裁判所から公表されています。
●成年後見制度の利用者自体は年々増加していることが分かります。
成年後見制度(成年後見・保佐・補助・任意後見)の利用者数は2022年12月末日時点で合計24万5,087人(前年比約2%増)です。
●興味深いデータとして「申立をしても親族が必ずしも後見人等に選任されるとは限らない」と耳にすることがありますが、もともと申立書に後見人等の候補者として親族が記載されている割合が全体の23.1%とのことです。これに対し、実際に後見人等に選任された親族の割合は全体の19.1%とのことです。
個人的には申立書の後見人候補者欄に親族の方が記載されていない割合が多いことが意外でした。ちなみに申立書の後見人等候補者の欄を空欄にして「裁判所で適任の者を選任して欲しい」旨を記入すれば家庭裁判所で弁護士や司法書士などの適当な人物を選任することになります。
このデータを見る限り「申立をしても親族が必ずしも後見人等に選任されるとは限らない」という言葉に間違いはありませんが、親族が選任されない理由はいろいろあるものの、「申立をして親族が後見人等に選任される可能性は低いという訳ではない」ともいえるのではないでしょうか。