Archive for the ‘商業登記’ Category

会社への貸付金を原資に資本増加(新株発行)をする方法

2020-09-06

資本増加による新株発行というと、実際に会社にお金を出資して株式を取得するというイメージが一般的だと思います。
しかし会社への出資は金銭に限られるものではなく、金銭債権による現物出資も可能とされています。
会社に対して貸付金がある人、たとえば小さい規模の会社であれば役員が会社に貸付金名目でお金を出しているケースもあります。

このような会社に対する貸付金は、会社にとっては「債務」となっていますが、これを「株式」と「交換」することによって、資本増加による新株発行を実現することができます。
このような会社への貸付金を原資に新株を発行することで会社の「債務」は減少し、「資本の額」は増加するためバランスシートの見栄えも良くなります。
ただし単にバランスシートの見栄えだけではなく会社の財務体制に関わることですから当事務所では事前に顧問の税理士ときちんと打ち合わせをしていただくようにしています。

このような「債務」と「株式」の「交換」のことを「Debt(負債) Equity(株式) Swap(交換)=デット・エクイティ・スワップ=DES」といいます。
DESによる資本増加の登記をする場合、当事務所では総数引受契約による募集株式の発行の形を取るお客様が多いです。その理由の1つには最短で同一日付で資本増加の効力発生までたどり着くことができる点があります。

DESによる資本増加の登記申請を総数引受契約による場合に必要な書類は
1.株主総会議事録
2.株主リスト
3.総数引受契約書
4.資本金計上に関する証明書
5.税理士等の証明書または総勘定元帳等の会計帳簿
となります。

参考 会社法第205条 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
第1項 前二条の規定(注:募集株式の申込み.募集株式の割当てについての通知や割当の手続き)は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
第2項 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

DESによる資本増加の登記に必要な印紙(登録免許税)は、増加する資本金の額の0.7%です。

執行役員と執行役

2020-08-30

名刺に「執行役員」と記載されているものを見かけます。

「執行役員」と似た言葉に「執行役」がありますが、「執行役員」と「執行役」は違うものです。

「執行役」は、委員会設置会社において必ず置かなければならないと会社法に規定されている役員です。

参考 会社法第402条第1項
委員会設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。

規模の大きい会社では、取締役会で決められた方針に従い、実際に業務を執行する機関として執行役が機能する仕組みを採用しているところもあります。
このような仕組みを採ることで、取締役会は執行役の業務執行を監督する立場として機能することができ、会社のガバナンスが効くことが期待されているようです。

同じく規模の大きい会社では、取締役の数も多くなっていた実情があり(大企業の会社の登記事項証明書を見ると取締役が何十人も記載されていたりします。)、会社として効率的な意思決定をし社会の動きに素早く対応していくために、取締役の数を減らしたほうが良いという考えにも合致する仕組みのようです。

「執行役」とは異なり、「執行役員」は、会社法で規定されている役員ではありません。
その会社内での呼称の1つで、「部長」とか「支店長」などと同じ役職の1つです。

「執行役員」の会社内での序列は、その会社内で決まるため外部の人が一概に判断することもできません。
執行役員でありかつ取締役でもあるケースもありますし、取締役ではない執行役員というケースもあります。

ただ業務執行を担当する役員であり会社から責任ある業務を任されている人であることは間違いないようです。

「執行役」と「執行役員」という言葉だけみると「執行役員」のほうが正式名称で取締役のようなイメージを持たれる方もいるようですが、実際は意味が異なるものだということになります。

 

 

会社の設立登記のファストトラック化

2019-06-07

平成30年3月12日から会社設立登記を申請してから原則3日以内に登記が完了するように取り組みが行われているそうです。(法務省のサイト)実際に3日で完了しているのですが、それより先に申請した他の会社の役員変更登記がまだ終わっていないこともあったりします。まさにファストトラック(優先審査制度)といえますが、他の手続きやマンパワーにしわ寄せが行かないように願うばかりです。

同一商号同一本店の禁止

2018-10-01

同一商号同一本店の禁止とは、本店及び商号が全く同じものは登記をすることができないという制度をいい、商業登記法第27条に規定があります。

「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社オガワ」という会社が登記されているのに
「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社オガワ」という会社を作って設立登記をすることはできないという意味です。

では
「A市・・町5番1号」という場所に「株式会社小川」という会社を作って設立登記を申請しても受理されるでしょうか?
答えは「受理される」になります。

同一商号同一本店の禁止は、本店及び商号が「全く同じ」ものが登記できないという制度ですから
「株式会社オガワ」と「株式会社小川」は「全く同じ」ではないので受理されるということになっています。

もっともここでクリアしているからとしても「不正競争防止法」に違反するとして、すでにある「株式会社オガワ」から損害賠償請求をされる可能性があることはきちんと理解しておく必要があります。

参考―商業登記法第27条
「商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。」

株主リスト

2018-09-27

平成28年10月1日から株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請をする際に、添付書面として,「株主リスト」が必要となるケースが出てきました(商業登記規則61条2項・3項,投資法人登記規則3条,特定目的会社登記規則3条)。

 

■「株主リスト」が要求されるようになった趣旨は、株主総会議事録などの偽造による虚偽の役員の変更登記などを防止するためとされています。

 

■「株主リスト」の作成者は会社代表者で、会社代表者が株主リストに法務局に届け出た会社実印で証明します。

 

■「株主リスト」の添付が必要なケースは2つあります。
①登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)が必要な場合
②登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)が必要な場合

 

■「株主リスト」に記載する事項としては
①登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)が必要な場合には、
・株主の氏名又は名称
・住所
・株式の数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
・議決権の数
・議決権数の割合
を記載しますが、株主が多数存在する場合は
・議決権数上位10名
・議決権割合が2/3に達するまでの株主のいずれか少ない方の株主について記載することになっています。

②登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)が必要な場合には、株主全員について
・株主の氏名又は名称
・住所
・株式の数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
・議決権の数
を記載することになっています。

 

小川司法書士事務所では、会社変更登記申請手続きの代理にあたり添付書面として「株主リスト」の作成も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

会社名を何にするか(類似商号)

2018-09-27

会社設立にあたり、「会社名を何にするか?」は大事なポイントです。

設立発起人にとっては、ブランドイメージ、思い入れなどもあることでしょう。

「どうしてもこの会社名にしたい」という方もかなりの割合で相談にいらっしゃいます。

以前(といってもかなり昔、2006年までの話ですが)は、会社設立をする際には、類似商号調査を現在より慎重に行っていました。

その理由は簡単に言うと、同一市区町村内で、同一の営業目的で、すでに存在している他の会社と同一の会社名はもちろん、
類似した会社名での設立登記はできない決まりになっていたからです。

これを類似商号の禁止と言っていました。

2006年からスタートした会社法の下では、類似商号規制は廃止されました。

つまり、同一市区町村内で、同一の営業目的で、すでに存在している他の会社と同一の会社名はもちろん、
類似した会社名での設立登記も可能というわけです。

たとえば千葉県柏市で「株式会社 A商店」、「事業目的 建築業」という会社がすでに登記されていたとしても

今回、千葉県柏市で「株式会社 新A商店」、「事業目的 建築業」という会社を設立したいと思ったら
会社法上は良いですよということになっています。

しかし、会社法では良いとされていても注意が必要です。

会社法とは別に「不正競争防止法」という法律では、他人が使用している商号と誤認のおそれがあるものを使用すると、商号の不正使用として商号の使用差止請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。

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