相続登記はいつまでにやらないといけないですか?

相続登記はいつまでにやらないといけないですか?という質問をいただくことがあります。

何かの法律で「相続登記は登記名義人が死亡してから●か月以内にしなければならない。」とか、相続登記をしないことに対する罰則が規定されているわけではありませんので
法律上は相続登記に期限はありません。

しかし、相続登記をいつまでもしないでそのままにしていると次のような問題が生じることがあります。

・相続登記に必要な書類が取得できないことがある。
・法定相続人が増えてしまうことがある。
・法定相続人と連絡が取れなくなってしまうことがある。
・相続税の申告が必要な場合に支障が出ることがある。
・遺産分割協議がまとまらなくなることがある。

【相続登記や法定相続情報に必要な書類が取得できないことがある。】

相続登記に必要な書類の1つとして被相続人に関する除籍謄本があります。
この場合の除籍謄本は、出生時まで(最低でも12.3歳くらいまで)さかのぼって取得する必要があります。
被相続人の父または祖父などが筆頭者(戸主)になっているものです。
相続登記をしないまま何十年も経過している土地についての相談を受けることがありますが、登記名義人である被相続人の出生時までとなるとそこから何世代にもわたって相続が発生していて「保管期間経過により除籍謄本を交付できません。」として出生時までの除籍謄本が取得できないことがあります。
もっとも、法務省の通達(平成28年3月11日民二第219号)により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば、相続登記をして差し支えないとされていますので相続登記に関しては支障はありません。
これに対し、法定相続情報の申出の場合は原則として被相続人の出生時までの除籍謄本の提出が求められています。

【法定相続人が増えてしまうことがある】

被相続人が亡くなった時点では法定相続人は子供たちだけだったのが、その後相続登記をしないままで年数が経過していく間に、その子供たちも亡くなってしまった場合を想像してみてください。
被相続人の子供たちにも相続が発生してしまうと、被相続人の遺産分割協議には被相続人の子供たちの法定相続人が何人も登場してくることになります。
被相続人の直系にあたる孫同士となると今の時代、疎遠になっているかもしれません。
被相続人の子供が亡くなっているとその配偶者が相続人になる場合もあります。その後、被相続人の子供の配偶者も亡くなってしまうと、今度は別家系の親族との間で遺産分割協議をしなければならなくなってしまうこともあります。

【法定相続人と連絡が取れなくなってしまうことがある】

相続登記のご相談の中で「相続人の連絡先が分からない」というお話しをいただくこともあります。
戸籍が日本にある限り、住民登録上の住所を確認することは可能ですが「手紙を出しても返事がない」とか、「住民登録上の住所に居住実態がない」などということもあります。
また相続人が外国人と結婚して日本国籍を離脱した場合、日本の戸籍記載事項からその人の外国の住所を確認することはできません。

【相続税の申告が必要な場合に支障が出ることがある】

被相続人の遺産からして相続税の申告が必要な場合、死亡日から10ヶ月以内に相続税の申告をしなければなりませんが、相続税の申告は相続人全員から行うことになっています。
また相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立していなければ「未分割」での相続税の申告をせざるを得ません。
この場合、法定相続分による財産の分割を前提に相続税を計算して申告をします。
その後、遺産分割協議が成立して法定相続分とは異なる割合で遺産分割が行われたのであれば、相続税の修正申告をする必要があります。
なお「未分割」での相続税の申告をしてしまうと、いわゆる「小規模宅地の特例」や、「配偶者控除」を受けることができないので納付する税額も大きく変わってきます。
ただし、「申告期限後3年以内の分割見込書」を「未分割」での相続税申告と同時に提出し、申告期限から3年以内に遺産分割が成立すれば配偶者控除を受けることもできます。
このあたりは税理士さんのお仕事になりますが遺産整理業務を取り扱う司法書士としても心得ておく必要があります。

【遺産分割協議がまとまらなくなることがある】

被相続人の遺産について遺産分割協議をしないで長年放置している背景として「そもそも遺産が少ない」とか、「遺産の取得に興味がない」とか、「相続人と話をしたくない」などといった事情が存在するケースもあります。
特に「遺産の取得に興味がない」というのは、社会問題にもなっている「空き家問題」とも関係している点です。
上記の「法定相続人が増えてしまう」とも相まって被相続人の死亡から時間が経過すればするほど遺産分割協議がまとまる可能性は低くなって行ってしまうこともあります。
「遺産分割協議がまとまらない」ことへの解決方法として遺産分割に関する「調停の申立」を家庭裁判所に対して行う方法もありますが、そもそも被相続人の死亡から長い期間が経過しているとこれも上記の「法定相続人と連絡が取れなくなって」いることもあり、調停の相手方を特定することすら困難を極めるという事態も考えられます。
こうなると、「なんとか自分の世代で遺産分割協議を成立させて名義変更をしてすっきりさせたい。」とか「自分の子供の世代にこのごちゃごちゃした相続問題を引き継がせたくない。」という思いも心が折れてしまう方もいるようです。

【まとめ】

このような問題に直面しないようにするためにはどうしたら良いか?というと
「相続が発生したらなるべく早めに遺産整理の手続きを済ませるようにする。」ということに尽きます。
相続が発生したらなるべく早めに遺産整理の手続きを済ませておけば

  • 相続登記に必要な書類が期限切れで取得できないことという心配もありません。
  • その後に法定相続人が増えてしまうこともありません。
  • 以後に最悪、法定相続人と連絡が取れなくなってしまっても少なくとも遺産整理手続きで困ることはありません。
  • 相続税の申告で支障が出ることもありません。
  • 遺産分割協議がまとまらなくなるという事態はありません。

「相続登記はお早めに」というキャッチフレーズを司法書士会などで目にすることもありますが当事者目線で見るとなるほどという感じもします。

 

 

 

 

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