Archive for the ‘不動産登記’ Category
公証役場のクレジットカード決済
2022年4月1日から全国の公証役場でクレジットカード決済がスタートする旨、司法書士会を通じて連絡が届きました(ただし印紙や送料などは含まれません)。
これまで公証役場で定款認証や遺言公正証書、民事信託契約の公正証書などはほぼ現金での支払でした(電子定款認証でWEBを利用した場合の銀行振込はありました)。
実際どれくらい公証役場でのクレジットカード決済の利用があるのかという感じですが、確定日付を利用する機会の多い民間企業などは利便性を感じられるのかもしれませんね。
参考サイト 日本公証人連合会「手数料」
失踪宣告の請求ができる人
相続手続きの中で法定相続人の所在がまったく判明しない場合や長期間行方不明の親族の財産について処分が必要になった場合に失踪宣告の手続きが頭をよぎる場面があります。
今の時代、行方不明で連絡がまったく取れない人なんているの?と思われる方もいるかもしれませんが司法書士をしていると何年かに一度ではありますが経験しています。
これは事件性があるという訳ではなく、海外居住により住所が追えなくなってしまったケースや、外国人と結婚されて国籍離脱をしたようなケースが多いです。
もっともそのような場合、いきなり失踪宣告という訳ではなく、先に不在者財産管理制度を検討することになります。
不在者財産管理制度と失踪宣告の制度は、「不在者に関する法律関係」という側面では共通していますが、不在者財産管理制度は財産管理、失踪宣告の制度は死亡擬制、というように効果が全く異なっています。私のこれまでの実務経験ではほとんどが不在者財産管理制度の利用で終わっていて、失踪宣告制度の利用は1件しかありません。
失踪宣告は利害関係人が家庭裁判所に申立をし、これが認められれば家庭裁判所が失踪宣告をし、その不在者の死亡を擬制することになります(民法第30条、31条)。
(失踪の宣告) (失踪の宣告の効力) |
ここでいう「利害関係人」とは誰のことを指すのか、つまり「失踪宣告の請求ができる人とは誰か?」が問題になることがあります。
この「利害関係人」とは、「事実上の利害関係」だけでは足りず、「法律上の利害関係」が必要とされています。
「法律上の利害関係」があるというのは具体的には
・不在者の死亡によって身分上・財産上の法律関係に直接影響を受ける立場の人(法定相続人になる人や遺言書で受遺者とされている人など)
・不在者財産管理人になっている人
などです。
「事実上の利害関係」しかないというのは具体的には不在者の債権者や不在者の債務者などです。
この立場の人は不在者財産管理人に対して対処をすれば足りるからとされています。
もっとも不在者の死亡により支払義務を免れるような立場を有する場合は「法律上の利害関係」があるとされます。
また失踪宣告の請求ができる人には、不在者財産管理制度のように「検察官」は含まれていません。
相続登記の義務化(改正法の施行日が決まる)
いよいよ「相続登記の義務化」が具体的に動き出しました。
相続登記の義務化に関する改正法(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24 号)による不動産登記法改正)の施行日が令和6年4月1日とされました(令和3年12月17日政令による決定)。
施行期日である令和6年4月1日時点で、現に相続登記が未了となっている不動産もこの「相続登記の義務化」の対象とされます。
「相続登記の義務化」の対象となっている相続人は
●自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日
または
●施行日(令和6年4月1日)
のいずれか遅い日から3年以内に、相続登記を申請しなければならないとされています。
これに反して「正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられる」ことになります。
「相続登記の義務化」についてはこちらのページをご覧ください。
事前通知の申出書に押す印鑑
土地・建物の売買や贈与と所有権移転登記申請には登記識別情報や登記済証を提供・提出しなければなりませんが、紛失等で登記識別情報や登記済証が提供・提出できない場合があります。
その場合、原則として登記官は登記義務者(=登記により登記名義を失う人)に対して、
①登記申請があったこと
②その申請内容が真実である場合には一定の期間内にその申出をするよう
通知書(=事前通知書)を送付することになっています(不動産登記法第23条)。
ここでいう「一定の期間内に申出」とは、登記官から登記義務者に送付された通知書の中に「事前通知に基づく申出書」という欄があり
そこに司法書士あての委任状に押した印と同じ印を押して返送することをいいます。
もしこの「事前通知に基づく申出書」に押す印鑑を司法書士あての委任状に押した印と違う印を間違って押してしまった場合は、事前通知書に記載されている申出期間内であれば取下をするしかありません。
感覚的には「すみません、押す印鑑を間違えちゃったのでもう1回事前通知書を送ってもらえませんか?」
と法務局にお願いしたいところですが、「事前通知書が受取人不明を理由に返送された場合」しか再発送の規定がありません(不動産登記事務取扱手続準則第45条)
なので、「事前通知に基づく申出書」に押す印鑑を間違うと再発送はしてもらえず申請を取り下げるしかないことになっています。
結論としては、「事前通知に基づく申出書」に押す印鑑は司法書士あての委任状に押した印と同じ印を必ず押すようにということになります。
離婚によって新しい戸籍ができた場合、子どもの戸籍はどうなるのか?
離婚によって新しい戸籍ができた場合、子供の戸籍はどうなるのか?
「父(または母)の氏を称する入籍」というテーマです。
「父(または母)の氏を称する入籍」とは、父母が離婚することより父または母と氏を異にした子どもが、父または母の戸籍に入ることにより氏を同じくすることをいいます。
父母が離婚をしても離婚届は夫婦間の届出のため、子どもの戸籍に変動はありません。
例えば結婚で姓が変わった母親が、離婚して新しい戸籍に移ったとしても、子供の戸籍は父親の戸籍のままということになります。この場合、子どもの戸籍を現在の戸籍から母の戸籍に入れるには、家庭裁判所の許可が必要になります。
家庭裁判所の許可を得るためには、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所で子の氏変更許可審判の申立てをします。
申立人は、15歳以上の子どもの場合はその本人です。15歳未満の子どもの場合は親権者となります。
申立時の提出書類は、
(1)子の戸籍籍本(離婚の届出をした記載があるもの)
(2)母の戸籍謄本
となります。
申立人が家庭裁判所から審判書を受領したら、本籍地または住所地の市区町村役場で入籍届を提出します。
届出時の提出書類は、
(1)家庭裁判所から交付された審判書謄本
(2)届出地が本籍と異なる場合は、子どもの戸籍謄本・母の戸籍謄本
となります。
♦父母の離婚の際に、すでに子どもが結婚している場合は、子どもは婚姻により新戸籍が編製されているわけですが、その子どもがこの父または母の氏を称する入籍をすると、新たに入籍した氏で戸籍が編製されることになります。
♦親権者が「離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法第77条の2)」によって子どもと同じ氏を称している場合でも、同じ戸籍の中にいないときは、家庭裁判所で子の氏の変更の手続きが必要です。
♦財産分与による登記についてはこちらのページ
相続登記が法律で義務化(詳細)
令和3年4月21日に「民法等の一部を改正する法律」、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立し4月28日に公布されました。
これらの法律は令和3年4月28日から「2年以内」に政令で定める日に改正法が施行されることになっています。
相続登記申請の義務化については令和3年4月28日から「3年以内」に政令で定める日に不動産登記法の改正法が施行されることでスタートします。
⇒相続登記の義務化に関する改正法(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24 号)による不動産登記法改正)の施行日が令和6年4月1日とされました。(令和3年12月17日政令による決定)。
【相続登記申請義務化の内容は?】
不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務づけられます(新不動産登記法第76条の2第1項)。
正当な理由がないのに相続登記を申請しないでいると10万円以下の過料の罰則の対象になります(新不動産登記法第164条第1項)。
遺産分割が成立した場合にはその内容を踏まえた登記申請をすることが義務づけられています(新不動産登記法第76条の2第2項、同第76条の3第4項等)
【相続登記申請義務化の背景は?】
このような制度が生まれたのは、相続が発生しているのに相続登記がされないまま放置された土地、いわゆる「所有者不明土地」が社会問題となっていることが背景にあります。
これまでは
・資産価値のない土地の相続登記をしても手間と費用がかかるだけ
・相続登記をしなくても罰則もない
ということで相続登記が一向に進まない不動産が多数存在する状態でしたが
政府の骨太の方針2020で示された「所有者不明土地等について、基本方針等に基づき対策を推進する。」にもとづいて法改正にいたりました。
【相続登記を申請しない正当な理由とは?】
正当な理由がないのに相続登記を申請しないでいると10万円以下の過料の罰則の対象になるという法改正ですが、具体的に「正当な理由」とはどのようなものをいうのでしょうか。
法務省のホームページでは具体例として
①何代にもわたって相続が発生していて法定相続人が極めて多数となり、戸籍謄本等の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
②遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
③申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケース
が挙げられています。
【相続登記申請義務違反から過料まで】
正当な理由がないのに相続登記を申請せず10万円以下の過料が科せられるまでの流れはどのようなものになるのでしょうか。
法務局が相続登記申請義務違反を把握(どのようにして法務局が相続登記申請義務違反を把握するのかは今後の課題とされています) |
法務局から相続人に相続登記申請義務を果たすように催告 |
相続人が正当が理由がないのに相続登記を申請しないと法務局から裁判所に過料事件の通知がされます。 |
裁判所が要件を判断し過料の裁判をすることになります。 相続人が相続登記を申請すれば法務局から裁判所に過料事件の通知はされません。 |
住所変更登記の義務化(過料あり)
2021年4月21日に「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24 号)及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25 号)が成立し4月28日に公布されました。
この法律の中に住所変更登記を義務化する内容が含まれています。
実際に法律で住所変更登記の義務化の部分が施行されるのは5年以内に政令で定める日となっています。
正当な理由のない申請漏れは5万円以下の過料の罰則の対象とされています。
具体的な内容としては
■所有権の登記名義人は、住所等の変更日から2年以内にその変更登記の申請をする義務がある(新不動産登記法第76条の5)。
■「正当な理由」がないのに申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処する(新不動産登記法第164条第2項)。
この「正当な理由」については通達で具体的に示される予定とのことです。
■これと同時に「検索用情報」を事前提供することで法務局が職権で住所変更登記をしてくれるという制度もスタートすることになっていますので「住所変更登記をしないと5万円」といっても実際は大きな混乱は起きないのではないかと個人的に思ってます。
「住所変更登記なんて何回引っ越しても家を売る前にまとめてやっておけば良い」と考えていた人も多かったと思いますし、司法書士としても相談者の方から何かの登記手続きの依頼を受けた際に初めて「住所変更登記が必要ですね」というお話をしていました。
しかし、今回の法改正で住所変更登記が義務化されることになりましたから、「住所変更登記はいつでも良いですよ」などという回答はできなくなりますし、少なくとも法改正が住所変更登記が義務化されていることはお伝えしておく必要があるということのようです。
離婚による財産分与の登記
離婚による財産分与の登記について紹介したページです。
登記識別情報通知書のシールの不具合
売買や相続、抵当権設定等により不動産の登記名義人になった人は、権利者であることを証明する登記識別情報(パスワード)を記載した書面=登記識別情報通知書を入手することができます。
しかし、登記識別情報を記載した部分を見えないようにするためのシール(目隠しシール)の一部のはがれ方が不完全であることにより、登記識別情報の一部を読み取ることができない状態になる場合があります。
具体的には、目隠しシールの一部が証明書本体の紙にこびりついていてシールを無理矢理はがそうとすると登記識別情報(パスワード)が記載された部分ごとシールがはがれてしまい、登記識別情報(パスワード)を確認することができなくなってしまいます。
この不具合は登記識別情報通知書に使用していた用紙と目隠しシールに原因があるようです。
私がこのような目隠しシールのはがれ方が不完全な登記識別情報通知書に出くわした経験は今まで2回あります。
法務省のホームページにも案内がありますが、私の経験した登記識別情報通知書はいずれも平成21年当時に発行されたものでした。
現在は様式が変わっていて、平成21年10月以降に発行された登記識別情報通知書については、いわゆるシール式ではないものなっています。
このように目隠しシールのはがれ方が不完全な登記識別情報通知書だと、その登記識別情報を提供して行う登記手続申請に支障がありますから、その対応策として法務局に対し、当該登記識別情報通知書を添付して申出をして登記識別情報を再作成してもらう手続があります。この登記識別情報の再作成にも申出からそれなりに時間がかかりますから、注意が必要です。
不動産の持分を訂正したい場合
毎年、確定申告の時期になると住宅ローンを組んでマイホームを取得した方で「不動産の持分の更正登記をしたい」という相談に来られることがあります。
いろいろ調べたり、相談したりして結局、「持分更正登記をしたほうが良い」ということになって司法書士事務所に相談に、という流れのようです。
不動産の持分更正登記にもいろいろなパターンがありますが、たとえば3000万円のマイホームを購入したというAさんが、住宅ローンでの借入分を含めて全額をAさんの資金で購入したのであれば、マイホーム(土地・建物)の登記名義は100%Aさんになるはずです。
ところが実際は3000万円のマイホームの頭金500万円のうち、300万円はAさんの父親Bさんが資金援助していた、という場合はどうでしょうか。
この場合、3000万円のマイホームの300万円部分、つまり全体の持分でいうと「10分の1」は、AさんではなくBさんが資金を出しているわけです。
それなのにマイホームの売買契約書には買主としてAさんしか載っていないし、登記簿(登記記録)にも所有者としてAさんしか記載されていません。
これでは実体に合った権利関係(=お金を出した割合に応じた持分での登記)が登記簿(登記記録)に反映されているとはいえません。
実際にはBさんがお金を出しているのに、登記上はすべてAさんのものになっているすると、税務上は、Bさんがお金を出した分はAさんに「贈与をした」と認定されてしまう可能性もあります。
「BさんからAさんへの贈与」ということになると、当然贈与税の問題が出てきます。
そこで現状、登記簿(登記記録)に「所有者A」の記載されているのを「共有者」に訂正し、「持分10分の9・A、持分10分の1・B」と訂正しましょう、ということになる訳です。
所有権更正登記がされると、登記簿(登記記録)の所有権に関する事項(甲区)は次のようになります。
図1
ただし、登記簿(登記記録)がこのように記載されるためには(=所有権更正登記をするためには)住宅ローンが付いている場合、融資をした銀行(抵当権者)の承諾が必要になります(登記手続き上は承諾書と印鑑証明書の添付が必要です)。
ここでの重要なポイントは、融資をした銀行(抵当権者)が、この所有権更正(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正すること)に承諾をする、ということは融資をした銀行(抵当権者)は、Bの共有持分については抵当権の効力を有しないという点です。
つまり融資をした銀行(抵当権者)は、A・Bの共有状態になっている不動産について、更正後のA持分についてだけ抵当権を付けている状態になってしまうわけです。
この場合の登記簿(登記記録)の抵当権に関する事項(乙区)は次のようになります。
図2
融資をした銀行(抵当権者)権利の保全の観点からすると、担保不動産の一部にしか抵当権が及んでいないという状態が許される訳がないのは明らかです。
ということで、融資をした銀行(抵当権者)が、この所有権更正(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正すること)に、このままでは承諾しないだろうということも容易に予想ができます。
では「Aの単独所有をA・Bの共有に訂正する」のは住宅ローンが付いている場合にはあきらめざるを得ないのか?というと必ずしもそうではありません。
方法として以下の2つが考えられます。
①Bの持分に対しても追加で抵当権を設定してA・Bの共有持分全部(不動産全体)に抵当権の効力を及ぼす |
②真正な登記名義の回復によって所有権更正登記ではなく、所有権一部移転登記をする |
①と②のどちらの方法を採るかは融資をした銀行(抵当権者)の対応の仕方にもよって変わってきますし、住宅ローンの約定に抵触するかどうかの判断も必要となってきます。
いずれにしても融資をした銀行(抵当権者)と協議をして手続きを進める必要があるということになります。
一番良いのは、マイホームを購入するときに購入資金の出所(出資割合)をきちんと確認して、その割合にしたがった共有持分での所有権移転登記をすることです。
共有持分を訂正するための所有権更正登記(Aの単独所有をA・Bの共有に訂正する登記)は、購入した本人だけで簡単にできる訳ではないことが多く、手間も費用も余計にかかります。
マイホームを購入するときに資金の出所をきちんと確認して登記手続きに反映しておけば、このような手間と費用をかける必要はないわけですから気をつけたいところです。
小川司法書士事務所では、マイホームの持分更正登記手続きについてのご相談も受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
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