Archive for the ‘成年後見’ Category

家庭裁判所の審理期間

2018-01-25

成年後見、保佐、補助の申立書を家庭裁判所に提出してから、実際に成年後見人、保佐人、補助人が選任されるまでどれくらい時間がかかりますか?と審理期間についてお問い合わせを頂くことがあります。

審理期間については最高裁判所の家庭局が統計を出しています。「成年後見事件の概況」(裁判所のウェブサイト)

平成28年1月から12月までのデータによると成年後見関係事件の終局事件合計が3万4,346件でそのうち
1ヶ月以内に終局したものが全体の45.5%
1ヶ月を超えて2ヶ月以内に終局したものが全体の31.9%
2ヶ月を超えて3ヶ月以内に終局したものが全体の12.0%
3ヶ月を超えて4ヶ月以内に終局したものが全体の約5.3%
4ヶ月を超えて5ヶ月以内に終局したものが全体の約2.4%
5ヶ月を超えて6ヶ月以内に終局したものが全体の約1.2%
6ヶ月を超えて終局したものが全体の1.7%
となっています。

全体の7割以上が「申立をしてから2ヶ月以内」に手続きが終わっているようです。

個人的には成年後見制度がスタートした頃からするとかなり短かくなったという印象があります。

平均寿命

2017-12-30

平成29年7月2日に厚生労働省から発表された「平成28年簡易生命表の概況」によりますと、男性の平均寿命は80.98年、女性の平均寿命は、87.14年だそうです。

男女ともに過去最高(男性80.75年、女性86.99年、ともに平成27年)を更新しているとのことです。

 

「平均寿命」といってもいま0歳の人の平均余命のことを指しているのであって、たとえばいま生きている私の余命が80.75歳まであるというわけではありません。

ただこの簡易生命表のデータを見ていくと、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などが掲載されています。

 

確実に言えることは、超高齢社会の中で自分はどのように生きていくか、65歳以上の5人に1人が認知症有病者になると言われている中で、どのように支えあっていくか少なくとも成年後見業務を遂行している立場の者としては、一般の方々よりは積極的に深く考えて立ち居振る舞いをしていかなければならないと感じている年末です。

 

障害者基本法の理念と目的

2017-11-21

障害者基本法は、平成5年にそれまであった心身障害者対策基本法から名称が改められたものです。

法律の目的として、第1条には、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進すること」と定められています。それまでの医療、保険からの規律に福祉の観点をプラスしたもののようです。

条文の表現だとわかりにくいですが、内閣府のホームページの説明によると、「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加の促進を規定し、障害者の「完全参加と平等」を目指す」とされています。

また、この法律の対象になる障害者という用語の定義は、第2条にあります。
「障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」をいうとされています。

地域社会における共生の1つとして、第3条では、障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されると規定されています。

また全て障害者は、
・可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられない、

・可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られる、と規定されています。

これらの理念を実現するために、政府は障害者の福祉等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者基本計画を策定しなければならないとし、地方公共団体においてもこれに準じた計画の策定に努めなければならないとしています。

つまり、障害があることによって障害がない人が享受できているもの(社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会、どこで誰と生活するかについての選択の機会、地域社会において他の人々と共生すること、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会)が奪われてはいけない、ということになると思います。

文字だけを見るとあたりまえのことのように感じるかもしれませんが、このように法律で規定し、国や地方公共団体への責務も定めなければならないほど、障害者の方たちに対する不利益があったということですし、今も存在しているということになるのだと思います。

普段私のような司法書士が目にする法律は、権利や義務の発生、変更、消滅の要件などを規定しているものが多いわけですが、それらの法律の体裁とはちょっと異なったものなので引用してみました。私としても常にこのような視点をもって日々の成年後見業務にあたっていかなければならないと感じたところです。

リーガルサポートの名簿更新

2017-11-19

成年後見センター・リーガルサポートの会員は、2年に一度名簿更新があります。一定の研修を受講し更新手続きを行います。今年も更新手続きが終わりましてこれからまた2年のうちに次の更新手続きに向けて研修を受講していくことになります。

成年後見人の取り消し権

2017-07-29

成年後見人の取消権については、民法第9条に規定されています。

民法第9条
「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」

成年後見人が、成年被後見人に対して、「~を買って良いですよ」と特定の法律行為に対して同意をしたとしても、取り消すことができるとされています。

想定される場面はかなり限定されると思いますが、成年被後見人から「成年後見人から同意を得ている」と聞いて、お店の人が成年被後見人と取引(高価な品物の売買)をしたような場合、取引の相手方(お店)としてはたとえ「後見人が同意していた」としても、成年被後見人後見人からの売買契約の取り消しの主張を認めざるを得ないということになります。それだけ成年被後見人の保護を図る要請が高いということになります。

誰が取り消すことができるのか(取消権者)については、民法第120条第1項の規定により、成年被後見人本人(とその承継人)と成年後見人とされています。

民法第120条第1項
「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。」

民法第9条ただし書には、「ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」と規定されています。

成年被後見人であっても「日常生活に関する行為」については、取り消しの対象とはされていません。成年被後見人の自己決定権の尊重の観点からこのように規定されています。もっとも、行為時点で成年被後見人が完全な意思無能力の状態だった場合は、そもそも法律行為は無効となりますので取り消しの話にはなりません。

またこれに関連して成年被後見人の身分行為(婚姻、協議離婚、認知、遺言など)についても、成年被後見人が意思能力を回復した状態であれば、成年被後見人が単独で行うことができるとされています。

婚姻について
民法第738条
「成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。」

協議離婚について
民法第764条
「第738条、第739条及び第747条の規定は、協議上の離婚について準用する。」とされていますので、成年被後見人が協議離婚をするには、その成年後見人の同意を要しない。ということになります。

認知について
民法第780条
「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。」

遺言について
民法第962条
「第5条、第9条、第13条 及び第17条 の規定は、遺言については、適用しない。」とされていますので、成年被後見人のした遺言を成年後見人が取り消すことはできないということになります。

これらの行為は一身専属的なものであり成年被後見人の本人の意思の尊重をすべきとの観点からこのように規定されています。

このことからも分かるように
「遺言書の作成は成年被後見人にはできない。」というのは字面からいうと間違っていることになります。

保佐開始の申立-1

2017-07-25

「保佐」とは、ふだんの買い物くらいは一人でできるけど、自宅のリフォーム契約や有料老人ホームの入所契約、自宅の処分など、重要な財産行為を一人で進めるのは難しいというような場合、保佐開始の申立を受けて「本人の判断能力が著しく不十分」であると家庭裁判所が認めた場合に利用できる制度です。

民法第12条では「保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。」と規定されています。「保佐開始の審判」とともに「代理権付与の審判」も求めることが通常です。

保佐開始の審判をするにあたり、保佐開始自体について、本人の同意は必要ありませんが、保佐人に代理権を付与するためには本人の同意が必要とされています(民法第876条の4第2項)。

保佐開始の申立書を家庭裁判所に提出する際には、可能であれば本人が書いた「代理権付与についての同意書」を添付することが多いです。

本人が「代理権」の内容に同意していないとか、保佐制度自体を理解できていない等の事情があって同意書が添付できない場合もよくありますが、そのような場合は、そのまま申立書を家庭裁判所に提出することになります。

家庭裁判所の調査官は、本人と面接をおこない、代理権の付与について同意するかどうかを確認します。本人のこれからの生活にとって、保佐人に代理権を付与することが必要なのかどうか、余計な代理権を付与したり、本人の生活をかえって不自由にしてしまうような代理権を付与することがないように1つ1つの代理権について、本人に説明をしながら同意の有無を確認しているようです。

もっとも「保佐開始の申立書」に「本人の同意書」が添付されていても、家庭裁判所の調査官は本人と面接を行い、同意書の記載内容に間違いがないか確認することが多いので、この点からも「保佐開始の申立書」の提出にあたり同意書の添付がどうしても必要ということではないと言えます。

 

後見終了の登記

2017-07-23

被後見人が死亡した場合、後見人が「後見終了の登記」を申請する必要があります。

家庭裁判所に対して「後見事務終了事務報告書」を提出する場合も、東京法務局に対して「後見終了の登記」を申請したかどうか確認されますので注意が必要です。

「後見終了の登記」申請のための手数料はかかりません。

「後見終了の登記」申請書は法務局のホームページからダウンロードできます。

「後見終了の登記」申請書に添付する必要がある書面は、戸籍(除籍)の謄抄本又は死亡診断書となります。ただし法務局において住民基本台帳ネットワークを利用して死亡の事実を確認することができるときは,戸籍(除籍)の謄抄本の添付を省略することができます。

「後見終了の登記」申請先は全国で1箇所のみで東京法務局の後見登録課になります。

〒102-8226
東京都千代田区九段南1-1-15
九段第2合同庁舎東京法務局民事行政部後見登録課
(03-5213-1360)

「後見終了の登記」申請は、郵送でもできますが、簡易書留郵便又は信書便(引受け及び配達の記録を行うもの)で送付することになります。

重度心身障害者の医療費助成制度

2017-06-29

重度心身障害者の疾病にかかる医療費から保険給付の額を控除した額について助成される制度があります。

助成の対象になる人は各自治体によって異なるようですが
おおむね
□身体障害者手帳1級、2級いずれかの手帳所持者
□療育手帳マルA、Aの1、Aの2いずれかの手帳所持者のようです。

この助成が受けられれば
小川直孝司法書士事務所がある柏市の場合ですと自己負担が通院1回、入院1日につき300円の負担となり保険調剤は無料となります。
市町村民税所得割非課税世帯は無料です。

65歳以上で新たに助成対象の障害者手帳が交付された人は、この助成の対象外とのことで後期高齢者医療保険で対応することになるそうです。

後見人に就任した時点で、被後見人が障害者手帳を所持している高齢者である場合もよくありますが、そのような場合ですとこの助成の対象となり医療費の負担が抑えられ助かります。

逆に後見人に就任してから被後見人の障害者手帳を取得するような場合、この助成の対象外となり、後期高齢者医療保険の枠組みで医療費を負担するわけですが、後見人の仕事をしている中では被後見人の経済的なやりくりが厳しい場合も多く、収支の見通しを立てるのも困難というケースもあります。そのような場合、被後見人を支える福祉関係者のアドバイスや協力を得ながら少しずつ前に進むしかありません。

今を大切に生きるための終活講座2

2012-10-03

平成24年10月5日(金)13時30分から15時30分
今を大切に生きるための終活講座2ということで「成年後見制度を知る」というタイトルで小川直孝が講師を担当します。
対象は60歳以上の柏市民でハガキで柏市社会福祉協議会ボランティアセンターに申し込むことになっているようです。
締め切りは9月25日必着となっています。参加費は無料。
お問い合わせ先:柏市社会福祉協議会ボランティアセンター
柏市柏5-8-12 電話04-7165-0880

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