Archive for the ‘成年後見’ Category

後見人の印鑑証明書

2020-08-25

後見人がその事務を行っている時に、後見人の資格で自分の印鑑証明書を関係機関に提出する場面が結構あります。

被後見人名義の銀行口座に後見人の設定をする場面では金融機関によって取り扱いが異なりますが後見人の印鑑証明書を提出し、届出書にも実印を押すことを求められることがあります。

また被後見人名義の不動産を売却する場合にも後見人が被後見人を代理して不動産売却手続きを行いますから登記義務者としての印鑑証明書は、後見人の印鑑証明書が必要となるわけです。

ちなみに家庭裁判所では後見人の印鑑を届出ることができることになっていてこの印鑑を使用して不動産の売却のための所有権移転登記に必要な印鑑証明書とすることができます。

参考 不動産登記規則48条1項3号
裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合

司法書士や弁護士など親族以外が成年後見人になっている場合、後見人の住所として登記される住所が
個人の住所ではなく事務所所在地であることも多くこのような規定や取り扱いがあるとその後見人にとっては便利です。

参考 家庭裁判所への印鑑届(山形家庭裁判所のサイト)

 

 

後見制度支援信託

2020-08-16

後見制度支援信託とは、成年後見開始の審判を受けた被後見人の財産管理の方法の1つとして活用される信託のことをいいます。

被後見人の財産が多額な場合、後見人にそのすべての財産を管理させることが適当でないと家庭裁判所が判断した場合、その指示によってその後見人が普段使う予定のない金銭を信託銀行等に信託させ、日常的に使う金銭のみをその後見人に管理させる仕組みです。

民法等の法律でこの後見制度支援信託について定めたものありませんが家庭裁判所の後見監督の中で運用されています。
このような運用が生まれた背景としては、後見人による被後見人の財産横領事案が続いたためとも言われています。

後見制度支援信託は、法定成年後見制度と未成年後見制度でのみ運用がされています。
保佐・補助・任意後見では後見制度支援信託は利用されません。以下未成年後見制度は除いて説明していきます。

被後見人の財産のうち、後見人が普段使う予定のない金銭がいくらなのか、日常的に使う金銭がいくらなのかについては当然ですが事案によって異なります。

たとえば被後見人の財産(金銭)が3,000万円あったとすると、そのうちの2,500万円を後見制度支援信託によって信託銀行に預け、残りの500万円を後見人が日常的に管理する、といった仕組みになります。

「普段使う予定のない金銭を信託銀行等に信託する」といっても、後見人が信託銀行等で普通に口座開設をする訳ではありません。
家庭裁判所の指示のもと、信託契約の締結をすることになります。なので、信託銀行等も家庭裁判所発行の指示書(金○○万円を信託する契約を締結することを指示するもの)がないと後見制度支援信託による口座開設には応じてくれません。

参考 大阪家庭裁判所の書式

このように後見制度支援信託は、信託銀行等に「金銭」を信託するものですから、金銭以外の財産(有価証券や不動産)は、いくらその額が大きくてもその対象にはなりません。
ただ被後見人の保有資産に有価証券等(株式・投資信託等)が多く含まれている場合は、後見人によってそれらを売却・解約させ、現金化し後見制度支援信託を利用させるようにするケースもあります。

上記の例で、後見人が普段使う予定の500万円の金銭では後見人の仕事をしていくのに足りなくなってしまう場合も出てきます。
たとえば、施設入所をすることになったとか、重い病気にかかってしまい医療費や介護費用が増加してしまった場合などです。
そのような場合、後見人は家庭裁判所に申立をして、後見制度支援信託で信託している金銭から一時金の交付をうけるよう指示書を受けることもできます。

また年間収支予定がマイナスになることが確実に予想され、定期的に信託財産から金銭の交付を受ける必要がある場合は、後見制度支援信託による信託銀行等との契約締結の際に「定期交付金」という形で信託財産から定期的に日常的に使う金銭を管理している銀行口座に送金してもらう仕組みもあります。

後見制度支援信託を利用した場合、被後見人が委託者兼受益者となり、被後見人が死亡するとその信託は終了します。
後見制度支援信託によって信託された財産は、被後見人(委託者兼受益者)の相続財産として相続人に帰属することになります。

このように後見制度支援信託は、後見人に多額の財産を管理させないようにして横領行為など不正事案を防止することに役立つ制度です。
ただし、後見制度支援信託を利用するためには上述のような信託銀行等との契約締結が必要となり、そのために別の後見人が選任されることになりますので後見人の報酬も別途発生することになります。

被後見人の財産が多額に場合、この後見制度支援信託を利用する方法の他に、後見監督人を選任して後見人の財産管理をチェックしていく方法で後見人の不正防止を図っていくケースもあるようです。

成年後見の申立人としての四親等内の親族

2019-05-05

成年後見の申立てができる人は民法で規定されています。

『民法第7条
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、
家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、
後見開始の審判をすることができる。』

ここでいう「四親等内の親族」とは具体的にどのような関係の人のことをいうのかについて説明します。

まず民法でいう「親族」とはどのような意味なのか。

ここでいう「親族」と、いわゆる「親戚」では意味が違いますので注意が必要です。
いわゆる「親戚」というのはその人の「家族以外」で、血縁や婚姻関係によって結びつきがある人のことを指します。
また「親戚」という言葉自体、民法では使用されていません。

『民法第725条
次に掲げる者は、親族とする。
一  六親等内の血族
二  配偶者
三  三親等内の姻族』

ここでまた「血族」・「姻族」という言葉が出てきました。
「血族」とは、血のつながった人のことをいいます。実親子(自然血族)以外にも養親子も含まれます(法定血族)。
「姻族」とは、婚姻関係をきっかけとした配偶者の血族、さらに血族の配偶者のことをいいます。

これではイメージが難しいので、「四親等内の親族」の具体的な関係を挙げてみます(以下算用数字で表記していきます。)

1親等の血族は、父母、子供
2親等の血族は、祖父母、兄弟姉妹、孫
3親等の血族は、曾祖父母、ひ孫、おじおば、おい・めい
4親等の血族は、高祖父母、玄孫(やしゃご=ひ孫の子)、いとこ、姪孫(おい・めいの子)

1親等の姻族は、配偶者の父母、子の配偶者
2親等の姻族は、配偶者の祖父母・兄弟姉妹、自分の兄弟姉妹・孫の配偶者
3親等の姻族は、配偶者の曾祖父母・甥姪、おじおば・おい・めい・ひ孫の配偶者

こう見てくると、「四親等内の親族」というのは、かなり広範囲の関係者が含まれるのではないかと思われますが、実際に家庭裁判所に対し成年後見の申立てを検討する場合には、これら「四親等内の親族」と本人との関係が希薄、または全く関係が無いという場合が多く、ましてや親等が遠いほど成年後見の申立人になってくれるというケースも少なくなってくるようです。

こういった関係の方々が、申立人になってくれない理由の一つには、家庭裁判所への申立費用の負担が原則として、本人ではなく申立人となっていることもあるのではないかと思います。

成年後見制度の申立費用としては、後見開始であれば収入印紙数千円と、切手代数千円ですが、精神鑑定が必要となればさらに数万円、申立て手続き自体を弁護士に依頼すれば数万円から数十万円、申立書の作成のみを司法書士に依頼したとしても数万円の費用がかかるわけです

こういった費用を負担してまでこれまで疎遠な関係であった親族のために申立人になってくれるかというと実際問題としてなかなか厳しいものがあるようです。
後見開始の審判の際に申立人から上申書等を提出すれば、裁判官の判断で「申立費用は本人の負担とする」旨の審判をしてもらえることもありますが、ここでいう申立費用は、申立てに要した印紙代等のことを指しています。

地域包括支援センター

2019-03-29

成年後見について相談したいけどどこに相談したら良いのかわからない。という方のためのお話です。

市役所だと介護保険課?障害福祉課?高齢者支援課?
成年後見は裁判所に申立てをするらしいから裁判所?

たしかに成年後見の申立て(後見・保佐・補助開始の申立て)をする先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所になりますが、家庭裁判所は申立てを受け付ける窓口であって、具体的なケースごとにその人が成年後見制度を利用した方が良いのかとか、他の制度との比較検討、アドバイス等はしてもらえません。

また成年後見制度を利用したいと決めても具体的にどこに相談したら良いのか分からないという方もいます。

実際のところはお住まいの市役所の窓口に相談にいけばその方の状況に応じて担当窓口に案内をしてくれるはずです。

しかしいろいろな窓口を紹介され、その都度最初から説明をするのも大変です。
できれば最初から担当窓口を知っていたほうが良いということになります。

地域包括支援センターは2005年に介護保険法の改正によりスタートしました。
各市区町村に設置されることになっていますが、外部委託によって地域に根付いた社会福祉法人が運営を受託している場合が多いです。

地域包括支援センターには介護はもとより成年後見制度についても専門知識を有した職員の方々がいますので相談される方の状況に応じて適切なアドバイスが受けられる仕組みになっています。

地域包括支援センターでは包括的支援事業として
・介護予防ケアマネジメント業務としてのケアプランの作成支援
・市民の各種相談への対応
・権利擁護業務としての虐待防止、成年後見制度の利用促進
・包括的・継続的ケアマネジメント支援業務としての医療・介護関係者間との連携などがあります。
また介護予防支援事業として要介護前の段階の要支援者へケアプランの作成等も行っています。

このように地域包括支援センターは、公的な機関として地域に密着した住民のための生活・福祉のために必要な援助、支援をする中核機関として機能しています。

成年後見制度に限らず、高齢者・障がい者の生活などで不安なことや困ったことなどがある場合は、お近くの地域包括支援センターに相談するのが安心です。

その上で、司法書士や弁護士等の専門家が必要になった際は、その引き継ぎなども行ってくれる場合もあります。
いきなり司法書士や弁護士等に相談するのもどうか、と考える方も地域包括支援センターにまず相談してから紹介してもらうというルートだと安心なのではないでしょうか。

実際、私の亡くなった母も介護保険を利用する段階になった際には、近くの地域包括支援センターに相談をしてケアマネージャーさんらと連携を取る手順を踏みました。

柏市、我孫子市、松戸市、野田市、流山市の地域包括支援センターは「東葛北部圏域」として千葉県のホームページに一覧があります。
こちら(.pdf)

お近くの地域包括支援センターを確認しておき、いざという時相談できるようにしておくと良いと思います。

家庭裁判所の審理期間

2018-01-25

成年後見、保佐、補助の申立書を家庭裁判所に提出してから、実際に成年後見人、保佐人、補助人が選任されるまでどれくらい時間がかかりますか?と審理期間についてお問い合わせを頂くことがあります。

審理期間については最高裁判所の家庭局が統計を出しています。「成年後見事件の概況」(裁判所のウェブサイト)

平成28年1月から12月までのデータによると成年後見関係事件の終局事件合計が3万4,346件でそのうち
1ヶ月以内に終局したものが全体の45.5%
1ヶ月を超えて2ヶ月以内に終局したものが全体の31.9%
2ヶ月を超えて3ヶ月以内に終局したものが全体の12.0%
3ヶ月を超えて4ヶ月以内に終局したものが全体の約5.3%
4ヶ月を超えて5ヶ月以内に終局したものが全体の約2.4%
5ヶ月を超えて6ヶ月以内に終局したものが全体の約1.2%
6ヶ月を超えて終局したものが全体の1.7%
となっています。

全体の7割以上が「申立をしてから2ヶ月以内」に手続きが終わっているようです。

個人的には成年後見制度がスタートした頃からするとかなり短かくなったという印象があります。

平均寿命

2017-12-30

平成29年7月2日に厚生労働省から発表された「平成28年簡易生命表の概況」によりますと、男性の平均寿命は80.98年、女性の平均寿命は、87.14年だそうです。

男女ともに過去最高(男性80.75年、女性86.99年、ともに平成27年)を更新しているとのことです。

 

「平均寿命」といってもいま0歳の人の平均余命のことを指しているのであって、たとえばいま生きている私の余命が80.75歳まであるというわけではありません。

ただこの簡易生命表のデータを見ていくと、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などが掲載されています。

 

確実に言えることは、超高齢社会の中で自分はどのように生きていくか、65歳以上の5人に1人が認知症有病者になると言われている中で、どのように支えあっていくか少なくとも成年後見業務を遂行している立場の者としては、一般の方々よりは積極的に深く考えて立ち居振る舞いをしていかなければならないと感じている年末です。

 

障害者基本法の理念と目的

2017-11-21

障害者基本法は、平成5年にそれまであった心身障害者対策基本法から名称が改められたものです。

法律の目的として、第1条には、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進すること」と定められています。それまでの医療、保険からの規律に福祉の観点をプラスしたもののようです。

条文の表現だとわかりにくいですが、内閣府のホームページの説明によると、「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加の促進を規定し、障害者の「完全参加と平等」を目指す」とされています。

また、この法律の対象になる障害者という用語の定義は、第2条にあります。
「障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」をいうとされています。

地域社会における共生の1つとして、第3条では、障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されると規定されています。

また全て障害者は、
・可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられない、

・可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られる、と規定されています。

これらの理念を実現するために、政府は障害者の福祉等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者基本計画を策定しなければならないとし、地方公共団体においてもこれに準じた計画の策定に努めなければならないとしています。

つまり、障害があることによって障害がない人が享受できているもの(社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会、どこで誰と生活するかについての選択の機会、地域社会において他の人々と共生すること、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会)が奪われてはいけない、ということになると思います。

文字だけを見るとあたりまえのことのように感じるかもしれませんが、このように法律で規定し、国や地方公共団体への責務も定めなければならないほど、障害者の方たちに対する不利益があったということですし、今も存在しているということになるのだと思います。

普段私のような司法書士が目にする法律は、権利や義務の発生、変更、消滅の要件などを規定しているものが多いわけですが、それらの法律の体裁とはちょっと異なったものなので引用してみました。私としても常にこのような視点をもって日々の成年後見業務にあたっていかなければならないと感じたところです。

リーガルサポートの名簿更新

2017-11-19

成年後見センター・リーガルサポートの会員は、2年に一度名簿更新があります。一定の研修を受講し更新手続きを行います。今年も更新手続きが終わりましてこれからまた2年のうちに次の更新手続きに向けて研修を受講していくことになります。

成年後見人の取り消し権

2017-07-29

成年後見人の取消権については、民法第9条に規定されています。

民法第9条
「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」

成年後見人が、成年被後見人に対して、「~を買って良いですよ」と特定の法律行為に対して同意をしたとしても、取り消すことができるとされています。

想定される場面はかなり限定されると思いますが、成年被後見人から「成年後見人から同意を得ている」と聞いて、お店の人が成年被後見人と取引(高価な品物の売買)をしたような場合、取引の相手方(お店)としてはたとえ「後見人が同意していた」としても、成年被後見人後見人からの売買契約の取り消しの主張を認めざるを得ないということになります。それだけ成年被後見人の保護を図る要請が高いということになります。

誰が取り消すことができるのか(取消権者)については、民法第120条第1項の規定により、成年被後見人本人(とその承継人)と成年後見人とされています。

民法第120条第1項
「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。」

民法第9条ただし書には、「ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」と規定されています。

成年被後見人であっても「日常生活に関する行為」については、取り消しの対象とはされていません。成年被後見人の自己決定権の尊重の観点からこのように規定されています。もっとも、行為時点で成年被後見人が完全な意思無能力の状態だった場合は、そもそも法律行為は無効となりますので取り消しの話にはなりません。

またこれに関連して成年被後見人の身分行為(婚姻、協議離婚、認知、遺言など)についても、成年被後見人が意思能力を回復した状態であれば、成年被後見人が単独で行うことができるとされています。

婚姻について
民法第738条
「成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。」

協議離婚について
民法第764条
「第738条、第739条及び第747条の規定は、協議上の離婚について準用する。」とされていますので、成年被後見人が協議離婚をするには、その成年後見人の同意を要しない。ということになります。

認知について
民法第780条
「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。」

遺言について
民法第962条
「第5条、第9条、第13条 及び第17条 の規定は、遺言については、適用しない。」とされていますので、成年被後見人のした遺言を成年後見人が取り消すことはできないということになります。

これらの行為は一身専属的なものであり成年被後見人の本人の意思の尊重をすべきとの観点からこのように規定されています。

このことからも分かるように
「遺言書の作成は成年被後見人にはできない。」というのは字面からいうと間違っていることになります。

保佐開始の申立-1

2017-07-25

「保佐」とは、ふだんの買い物くらいは一人でできるけど、自宅のリフォーム契約や有料老人ホームの入所契約、自宅の処分など、重要な財産行為を一人で進めるのは難しいというような場合、保佐開始の申立を受けて「本人の判断能力が著しく不十分」であると家庭裁判所が認めた場合に利用できる制度です。

民法第12条では「保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。」と規定されています。「保佐開始の審判」とともに「代理権付与の審判」も求めることが通常です。

保佐開始の審判をするにあたり、保佐開始自体について、本人の同意は必要ありませんが、保佐人に代理権を付与するためには本人の同意が必要とされています(民法第876条の4第2項)。

保佐開始の申立書を家庭裁判所に提出する際には、可能であれば本人が書いた「代理権付与についての同意書」を添付することが多いです。

本人が「代理権」の内容に同意していないとか、保佐制度自体を理解できていない等の事情があって同意書が添付できない場合もよくありますが、そのような場合は、そのまま申立書を家庭裁判所に提出することになります。

家庭裁判所の調査官は、本人と面接をおこない、代理権の付与について同意するかどうかを確認します。本人のこれからの生活にとって、保佐人に代理権を付与することが必要なのかどうか、余計な代理権を付与したり、本人の生活をかえって不自由にしてしまうような代理権を付与することがないように1つ1つの代理権について、本人に説明をしながら同意の有無を確認しているようです。

もっとも「保佐開始の申立書」に「本人の同意書」が添付されていても、家庭裁判所の調査官は本人と面接を行い、同意書の記載内容に間違いがないか確認することが多いので、この点からも「保佐開始の申立書」の提出にあたり同意書の添付がどうしても必要ということではないと言えます。

 

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